April Come She Will/Simon & Garfunkel〜Prelude〜

Web日記を始めたいな、と漠然と思いついたのは、おととしの秋だった。区切り良く2003年の年明けと共に始めようと、ほぼ決心していた。なのに、こんなにも延びてしまったのには訳がある。当時親しかったある人が、年末に緊急入院し、ほとんど毎日、看病に明け暮れ、その合い間に仕事にも追われていたため、日記どころではなかったのだ。やっと退院したと思ったら、今度は、父方の伯母が2人相次いで亡くなるという悲報続き。それもようやく落ち着くと、今度は、他に身寄りのない彼女たちの残した、だだっ広いけれど古ぼけた家の整理要員として、私が毎週、駆り出されることになったのだ。
波乱含みだった昨年1年は、そのようにして始まったが、結局、それまで澱んでいた水が、一気にどこかに流れ出て、代わりに、長い間求めていた清流が、どこかから流れ込んでくるかのように、周囲のさまざまな事柄が良い方向に変化していった。
秋になると、それまで出しかねていた重大な決心を、ついに実行に移しさえした。思えば、この10年間、まるで自分が自分でないようだった。こんな言い方は、都合の良い言い逃れにすぎないかもしれない。でも、自分を騙し、現実から目をそむけていたのは紛れもない事実だった。「何かが違う!」と思いながら、それをはっきり認める勇気さえない自分が、いやでいやでたまらない一方で、生ぬるい生活に浸りきり、そこから抜け出すことを恐れていたのも、やはり自分自身だった。そんな中で下した決断だから、それに伴う状況はとてもヘヴィなものだった。未だに、すべてが解決しているとは言えない。それでも、だんだん本来の自分に戻っていくのが実感できる(姿形まで、「仮の姿」から、少しずつ元に戻っているようだ)。そして、それを陰で支えてくれる人が、数少ないながら存在するというのもうれしい事実だ。
こんなわけで、1年と3ケ月遅れで、ついに念願のWeb日記を明日からスタートさせようと思う。ガラにもなくシリアスな前置きになったけれど、明日からの本編はもっと気楽に進めたい。タイトル・ソングは、映画『卒業(The Graduate)』でも効果的に使われていた。