That'll Be The Day/Buddy Holly&The Crickets

偶然というものは本当に不思議だ。おとといBuddy Hollyの話題を出したと思ったら、なんと今日、BSフジで放映された『Ed Sullivan Show』に彼が登場した。この番組が10年ほど前にNHKで放送されていた頃、時たま見ていたけれど、今回の映像は初めてだった。動く姿を初めて目にするBuddyは、タイトル・ソングをあっという間に歌い終えて、風のように立ち去っていった。まるで彼自身の短い生涯のように。
ところで、今回実家に戻って来ているのには理由がある。5月から入院している父の具合があまり良くないので、できれば早く帰ってきてほしいと言われ、仕事を切り上げて帰ってきた。会社勤めの妹と弟は、秋分の日を利用して帰省し、妹はその日のうちにとんぼ帰りし、弟は、昨日私と入れ違いに自宅に戻った。
父は、深刻な病気に罹っているわけではないのに、精神的な疲労が重なったせいか、ほとんど食べ物を受け付けなくなり、この数ヶ月間、点滴や注入に頼る日が続いていた。そのためどんどんとやせ細り、体力を失っていくばかりだった。まだ平均寿命には達していないので、老衰などではなく、とにかく本人の気力の有無が回復のための最大のポイントとされていた。ところが、その気力さえ当初からほとんどなく、「もうダメだ」というのが口癖のようになっていた。
先週あたりから、血圧が70を切ることが多く、今度また低下したら危ないと言われていた。実は昨日、一時的に50を切ったため、母だけ病院に泊まることになっていたものの、どうにか持ち直したので、泊まらずに済んでいた。でも、今夜は念のため泊まることになり、私だけ帰宅して、呑気にTVなんか見ていたというわけだ。電話があったのは10時過ぎだった。血圧がどんどん低下しているので、いつ呼ばれてもすぐに来られるように待機していてほしいと言われた。待つのは落ち着かないので、すぐに行くことに決め、急いで着替えて病院に向かうことにした。外に出ると、雨が降り始めていた。
その時から何となく覚悟を決めていた。というのは、今朝、母に聞かされた夢の話が気になっていたから。夢の中で大地震が起こり、ふと眼の前の時計をみたら、0時40分頃だったという。その時刻だけが妙にリアルで、印象に残っていると言うので、私は、きっとその時間に何かが起こるに違いないと確信していた。母の夢は不思議なくらいよく当たるから。でも、それが今日ではないことを、祈るばかりだった。