Mystery Train/The Band

また実家に帰ることになり、いつもと同じ時間の電車に乗った。最初の乗り換え地点は、1駅区間しかない(時間にしてわずか数分)珍しいJR路線の駅。普段はお客が少ないのに、今日に限って、プラットフォームからあふれそうになっている。しかも、その大半が白人のティーンエイジャーなのだから、一体、何事かと思った。みんな大きなリュックを背負っているので、近くの浜辺でキャンプしたに違いない。そう思っていたら、たった1人の引率者である日本人女性が、困り果てたように声をかけてきた。それによると、子供達はニュージーランドから休暇を利用してやってきたそうで、キャンプの後、各自ホームステイ先に散らばるらしい。ほとんどの子が電車に乗るのは初めてで、てきぱきとした団体行動ができずに困っているという。ホームステイの前に、京都観光の予定なのに、京都に辿り着くまでに、さらにあと2回乗換えがある。しかも、最初の乗り継ぎ時間は、たった3分足らずらしい。それを聞いて、お気の毒だけれどほぼ不可能でしょうと伝えるしかなかった。何しろそんな短時間で、大きな荷物を持ち、電車に乗り慣れていない子供を20人近く、階段の向こうのプラットフォームまで誘導するなんて、とうてい無理なことなのだから。
それにしても、子供達を見ておもしろいことに気が付いた。「健康的」どころか、まるでリンゴか洋ナシのように、どっしりしすぎた体型の女の子たちに比べ、男の子たちは、みんな驚くほどきゃしゃ(多分、体重は女の子の半分ぐらい!)でかわいい。ブロンドのソフトな巻き毛の子や、黒髪の子もいて、思わず目を留めてしまう。
結局、まだ少し時間に余裕のある私は、乗り換え案内のお手伝いをすることにした。階段に一番近いドアからみんなを下ろした後、その階段を先に上がって、どちら側に降りたら良いのか、必死で誘導した。そして奇跡的に、時間内に全員、降りることができた。私も自分の乗るプラットフォームに降りて、そこから様子を伺っていたら、何ということ!せっかくギリギリで間に合ったにもかかわらず、引率女性は、乗り換え電車の到着に気付かず、そのまま乗り損ねてしまった。そりゃまあ、1本遅らせれば済むことなのだろうけれど、せっかちな私には、ちょっと信じられないような出来事だった。
タイトル・ソングは、今日もまたThe Bandになったけれど、昨日と違って、こちらは正真正銘のThe Bandだからいいよね。