Anastasia/Elliott Murphy

先月から大きな話題となっていたイギリスに亡命中のロシアの元スパイ変死事件は、結局、ロシア本国でも殺人事件として捜査することになったという。人相で判断するのはよくないとわかっていても、Putinのどこまでも冷酷そうな(いや、「そうな」ではなく、冷酷そのもの?)顔つきを見るにつけ、あの国では、今もなお、どんなことでも平気で行なわれていそうな気がする。でも、そういったことについて、勝手な推測であれこれふれても意味がないので、ここではこれ以上突っ込まない。
そんなことより、意外にも、ロシアという国が、これまで、自分と何かにつけて関連性があったという事実に驚いている。たとえば、JormaとWarren Zevonは、いずれもユダヤ系ロシアの血を引いている。また、何となく親近感のあったMelanieや、亡き父が若い頃似ていると言われていた元横綱大鵬は、旧ソ連ウクライナ系。そして、それ以上に、直接、私に大きな影響を与えているのがロシア民謡だということを、初めて白状する。
小学校に入ったばかりの頃、偶然耳にしたブルーズが訳もなく気に入り、それこそが自分好みのジャンルの音楽だということを無意識に悟ったということは、<a href="http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=435022&log=20040514">以前</a>にも書いた。でも、そこからさらに遡って、幼稚園時代には、みんなで歌う陽気な童謡などには見向きもしなかった。代わりに、どこか暗く物哀しい、一連のロシア民謡に異様なまでに反応していた。要するに、その頃からマイナー・コードの曲にしか興味がなかったのだろう。前世の記憶なのか、あるいは、本能的なものだったのか、定かではないけれど、周囲から浮き立った、おかしな子供だったに違いない。ひょっとすると、それが私のアウトサイダー人生の始まりだったのかもしれない(大げさ?)。
今でこそ、意識的にロシア民謡を聴こうとは思わないし、その機会すらほとんどないけれど、たまたま、何らかの拍子に耳に入ってくると、やはり聞き耳を立ててしまう。
さて、こんなわけで、ロシアにちなんだ曲としてまず浮かぶのは、そのものズバリ、Renaissanceの「Mother Russia」。あるいは、ちょっとフェイントをかけて、KGBなんていう名のスーパー・グループ(?)もあった。でも、久々にEMを選ぼう。固有名詞を使うのが大好きな彼が、ここで歌っているのは、帝政ロシア最後のRomanov王朝第4皇女のことなのだから、あながちピントはずれではない。4枚目のアルバム『Just A Story From America』に収録されている。