Not Enough Time/Elliott Murphy

日曜日には20℃を超えていたというのに、今日はその半分以下。昨日の夕方には、雪がまばらに舞っていた。こんな滅茶苦茶な気象に、みんな徐々に慣れ始めているというのが怖い。
今日の午後、Elliott Murphyの29枚目のアルバム『Coming Home Again』が届いた。実は新年早々発売されていたけれど、最短で手に入れるにはスペインに注文しなければならず、コストもかかるのでしばらく待っていた。2週間ほど前にようやく注文し、今頃届いたというわけだった。ブルーズのカヴァーを中心とした前作とはうって変わって、今回は全曲がオリジナル、そして、タイトルが示すように、彼自身の出発点に戻っているかのようなアルバムだという事前情報を得ていた。
早速、歌詞カードはおろか、タイトルすら見ないで聴いてみた。7曲目になって、それまでとはちょっと流れの異なる曲が始まり、思わずタイトルに眼をやった。「The Prince Of Caos」という曲だった。♪Life's a bowl of cold misfortune sitting stable on the breakfast table♪という、悲観的なフレーズが気になった。歌詞カードをざっと眺めてみると、この曲に限らず、暗いフレーズが多いように思われる。そして、固有名詞、特に人名が、多く使われている。固有名詞の多さは、彼の曲の隠れた特徴の1つでもあるので、ここでまた新たに見つけると、訳もなくほくそえんでしまう。そういえば、どこかのファン・サイトで、過去にタイトルや歌詞に登場した人物名が、全部リスト・アップされていたことがあった。
さて、7曲目が終わり、そのまま10曲目ぐらいまで、息もつかず夢中で聴いた。第一印象では、そのあたりの曲が、私のツボをしっかり捉えているようだった。
それで、その4曲だけ繰り返し聴いた後、数日前に届いていたQMSの『At The Kabuki Theatre』を聴いた。1970年の大晦日に行なわれたライヴを収めたもので、非公式音源なら以前に聴いたことがあった。今、改めて公式盤を聴いてみても、ヴォリューム・レベルの不均等さが耳障りでたまらない。そして、全体に緊張感のない演奏は、直前に脱退していたNicky Hopkinsがその場にいれば、もっと締まりのあるものになっただろうと悔やまれる。とはいうものの、いつもと少しアレンジの違う「Mona」は、充分に楽しむことができたけれど・・・。それから、ライナーに「QSM」と略されていることには、怒りを通り越して、ただあきれるだけだった。イギリス人がこんな間違いをするなんて、一体どういうつもりだろう?QMSの名前すらろくに知らない人が、適当に書いたということだろうか?