Desperados Under The Eaves/Warren Zevon

昨夜はいつもより早めに寝ることにしたのに、なかなか眠れず、結局、WZのバイオの続きを読むことにした。ところが、部厚く重い本のため、横になったままの姿勢では、とても読みづらい。両手だけでなく、眼もすぐに疲れてくる。それでも、次から次へと興味深い内容が続くので、ページをめくる手が止まらない。あえて時計を見るのを避けたけれど、多分、2時間ぐらい読み続けていたと思う。
そうして、睡眠不足のまま目覚めると、昨日より風邪がひどくなっていた。喉だけでなく、鼻もグスグスする。それでも、明日は雨だというので、今日中に出かけなければならない用のため、無理して自転車に乗った。が、やはり無謀だった。そう遠くない目的地に着くと、その場にうずくまりたくなるのをどうにかこらえて用を済ませ、帰宅するなりそのまま横になった。意識はほとんどなかった。
そのまま数時間が経過し、少し気を取り戻すと、懲りずに本の続きを読み始めた。WZのように、特に歌詞にこだわりのあるSSWの場合、そのバイオグラフィは、各曲がどのようにして書かれたかを知るのに大いに役立つ。歌詞に出てきた地名や固有名詞が、バイオの中に登場するたびに、1人でニタニタしてしまう。
たとえば、2ndアルバムに収録の「Desperados Under The Eaves」に出てくる「Hollywood Hawaiian Hotel」というのは、Tuleや幼い息子、Jordanとの生活に疲れた時、何週間も滞在していたという避難所の1つ、「Hollywood Hawaiian Motel」のことだった。その時、滞在費が払えず、友人の助けを借りて部屋の窓から荷物を放り出し、こっそり逃げたという。こんな事実を頭に入れて曲を聴き直すと、より一層味わい深い。ちなみに、WZの名誉のために付け加えておくけれど、後にこのアルバムが売れて、金銭的に余裕ができると、踏み倒した宿泊費を払いに戻ったらしい。
こういったエピソードを、1つ1つここに書き並べるとキリがない。できることなら、このようなキーワードすべてを、索引として巻末に載せてほしかった。かろうじて、人名のみ「Who's Who」にまとめられている。ただし、それさえも不完全なものに見える。というのも、ざっと見た限り、女性ミュージシャンで名前が挙がっているのは、Karla Bonoff(一時、WZの恋人だったというのには驚き!)とBonnie Raittの2人しかいないのだから。WZの曲を世間に知らしめた最大の功労者とも言えるLinda Ronstadtの名前が見当たらないのは、どういうことだろう?WZではなく、Crystalとの間に、何か見えないしがらみでも存在するのではないか?と勘ぐりたくなる。