Mohammed's Radio/Warren Zevon

インターネットの恩恵の1つにネット・ラジオというものがある。世界各国のさまざまなラジオ番組がリアル・タイムで聴けるだけでなく、アーカイヴとして残っているスタジオ・ライヴやインタヴューをダウンロードし、楽しむこともできる。限られた番組を必死でエア・チェックしていたFMラジオ時代からは、まったく考えられないほどの進化ぶりだ。また、ファンが運営する特定のアーティスト限定のプログラムまであり、聴き始めた頃は、感激のあまり、朝まで夢中で聴いてしまうということもよくあった。
さらに、自分のカスタム・メイドの局まで作ることができるというのもわかった。このシステムはいたって簡単。とにかく、お気に入りのアーティスト、アルバム、曲、それに、絶対に聴きたくないアーティストを、ただひたすら登録するだけ。これで、聴きたいものしか流れないラジオ局の出来上がり!
万一、何かの間違いで、好みでないものが流れても、その時点で拒否すれば、以後、2度と聴かなくてすむ。このシステムには、もう1つ興味深いポイントがある。自分と同じアーティストを「お気に入り登録」している(まったく見知らぬ)人による推薦曲というものが、時たま流れるのだ。もちろん、その中には興味の対象外のものもあるけれど、その場合、あっさり拒否すればよい。そんなことより、プラス面の方がずっと大きい。これまで知らなかったのに、聴いたとたんに気に入ってしまうアーティストが紹介される確率の方が、ずっと高いからだ。
そんな風にして今日、突然、流れてきたのは、Grant Lee Phillipsの「Josephine Of The Swamps」という曲。バンジョーの効果的な使用と、けだるそうなヴォーカルは、まさに私好みという以外の何ものでもなかった。そして、自分がバンジョーの音色好きだということを、改めて痛感させられた。早速、検索してみたら、以前は、Grant Lee Buffaloというバンドに在籍し、現在、ソロ活動している人らしい。昨年末に出たRickie Lee Jonesのアルバム『The Evening Of My Best Days』にも参加し、何曲かデュエットしているという。見た目がちょっとサエないオジさんっぽいのは、いささか残念だけれど、まあそれは仕方がない。まず重視するのは音楽で、見た目はその次だから・・・。これまでは、運良くその両方を兼ね備えた人が多かっただけのこと。
さて、「ラジオ」が入っているだけで、いつものように安易にタイトル・ソングを選んでしまった。