The Envoy/Warren Zevon

イラクで人質になっていた日本人3人がようやく解放された。私は決して政治意識の高いタイプではなく、John Lennonの「Imagine」をそのまま鵜呑みにするような、甘くおめでたい人間だが、今回の政府の対応は疑問だらけだと思う。何かといえば「自己責任」を連発するが、遊泳禁止の区域で泳いで溺れるのや、悪天候の雪山に登って遭難するのとはわけが違う。しいていえば、燃え盛る火事現場に取り残された人を見かけ、そのまま見過ごすわけにはいかず、思い切って救出に飛び込んだものの、運悪く、自分も火に巻かれてしまった、という例えの方がまだ近い気がする。しかも、ただ向う見ずに飛び込んだのではなく、前もって水を被り、火の気の少なそうなところから潜り込む、というぐらいの配慮はあったはず。それなのに、「自己責任」のひと言ですべてが片付けられ、論点がすり返られてしまうのは納得がいかない。まず、人質にされた3人は「犠牲者」であったということ。この点から始めないと、どんどん論点がずれる一方だ。現時点では、詳しい続報が入っていないので、これ以上何とも言えないが、未だに行方不明のあと2名の方々も含め、全員、無事に帰国することを願うばかりだ。
さて、またWarren Zevonをタイトル・ソングに選んだが、中東や中南米の紛争に対するアメリカのちょっかいを皮肉ったこの曲は、まさに現状にピッタリと言える。この曲がそのままタイトルにもなっているアルバム(ベスト・アルバムを除くと、彼にとってアサイラム・レーベルからのラスト・リリース)が発表されたのは、1982年、つまりイラク・イラン戦争の頃だが、それから20年以上たった今、世の中が平和になるどころか、さらに悪化しているなんてどういうことだろう。♪Looks like another threat to wolrd peace♪の部分が、過去も現在も変わらないなんて・・・。
話は変わるが、同じ1982年の彼のライヴ映像を、ネット上の音楽仲間で、この「さるさる日記」の大先輩でもある方が送ってくれるという。もちろん、タイトル・ソングも入っている。うれしいな。今月初めにやっと届いたラスト・セッションのDVDは、未だに、見る勇気と心の準備ができていないのだが、82年頃のものなら、多分、平気で見られるだろうな・・・いや、どうかな?ちょっと心配だから、1人で見ない方がいいのかな?