No Mail Today/Tom Hobson

目が覚めたら、とても口にはできない時間だった。夜更かしを深く反省。
外出したものの、強い向かい風のせいで、しばらくの間自転車が進まなかった。夢の中で、何かに追いかけられて、逃げても逃げてもいっこうに進まず、パニックに陥るのと似ている。でも、いつも土壇場で空が飛べたり、透明人間になって追手から逃れることができるのだから、夢の中の方がまだましといえる。
今日は、珍しく、郵便物が1通も届かない日だった。今や、たいていの用件をEメイルで済ますようになったといっても、DMの1通さえポストに入っていないのは何日ぶりだろう。
というわけで、今日のタイトル・ソングはそのものズバリ!
これを作ったTom Hobsonという人はJormaの旧友のSSWで、初めてその存在を知ったのは、1974年にリリースされたJormaの1stソロ・アルバム『Quah』でだった。これは、当初は2人の共作アルバムになるはずだったけれど、結局、Tomはゲストとして2曲のみ参加という形になった。当時、Jormaに熱を上げるティーンエイジャーだった私は、そんな見知らぬゲストの参加を大いに不満に思っていた。ところが、実際に聴いてみると、SSWとしての彼のユニークな魅力に圧倒されるばかりだった。残念なことに、90年代初めに、ひっそりと亡くなってしまったといわれるけれど、昨年出たこのアルバムのリマスター盤には、ボーナス・トラックが4曲含まれ、そのうち2曲が彼によるものだった(その中の1曲が今日のタイトル)。
新たに添えられたライナーノーツには、これまで知りえなかったエピソードが満載で、夢中で貪り読んだ。JAの見事なバイオグラフィ『Got A Revolution』の著者でもあるJeff Tamrkin氏が執筆したのだから、内容が濃いのは当然だろう。彼はまた、昨日書いた「2400Fulton」MLの常連投稿者でもあり、いつも貴重な情報を提供してくれる。
Jormaにはかつて、Tomの他に、Ian BuchananとSteve Mannというフィンガー・ピッキング・ギタリスト仲間がいたというけれど、その2人の存在も謎に包まれている。Ianは、Rev.Gary Davisから直々に教えを受けた人で、JormaにRev.G.Davisの魅力を教えたのも彼らしい。Steveは、Hot Tunaの1stアルバムに入っている「Mann's Fate」のモデルにもなった人。長い間、重病説や死亡説まで流れていたけれど、今年の初めにライヴを行なったという話を前述のMLで知って驚いた。しかも、HTの1stにハーモニカで参加していたWill Scarlettがゲストだったというのだから、驚きは何倍にもなった。