San Francisco/Dinosaurs

なぜだかわからないけれど、ここ2〜3日、感覚がひどく鈍くなっている。そのせいか、つい勢いに任せて、この日記を某人気ボードで公表してしまったことを、ちょっぴり後悔している。未整理の部屋に、友人たちを招き入れるような恥ずかしさが、徐々に沸いてきた。今さらどうしようもないので、少しずつ体裁を整えながら、このまま続けるしかないんだろうな。
そんなボーっとした状態のまま、「さるさる日記」大先輩から頂いたWarren Zevon'82ライヴを見た。一人で見る勇気はやっぱりなかったけれど、いったん見始めると、意外なほど淡々とWZの姿を追うことができた。生前から、いつ聴いても涙ぐんでいた「Accidentally Like A Martyr」を歌い始めた時さえ、ただじっと画面に目を見やるだけの自分に驚いた。全体的に声量がないのが気になったけれど、その分、ステージを飛び跳ねたり、寝転んだりして大はしゃぎだった。それを見て、私にとって2度目のWZライヴを思い出さずにいられなかった。1980年、「Old Waldorf」というナイトクラブでだった。ステージ上で腕立て伏せまでやってのけた彼のハイテンションぶりに圧倒され、それ以外の記憶は、私の脳裏からすっかり消え去っているのが情けないけれど。
シスコのオフィス街高層ビル屋上にあるこのお店は、先着順に入場できるため、いつもツナ・サンド片手に、お昼過ぎから並んで最前列の席を確保したものだった。ステージまでの距離はほんの数十cmしかなく、テープレコーダーをステージ上に置いて録音したこともあった。
私にとって今もなお、色々な意味を持つ街サンフランシスコを讃えて歌うDinosaursとは、元QMSのJohn CipollinaやJAのSpencer Drydenらが、自らを「ロック界の時代遅れの恐竜」と皮肉って結成したバンドのことで、活動の中心はライヴ・セッションだった。情報不足のため、その存在さえなかなかつかめなかった当時より、今頃になって、大量の音源が出回っているというのは、皮肉だけれどありがたい。
また話は脱線するが、ステージに寝転んだWZを見て連想したのは、大昔のBruce Springsteenのライヴ映像。熱狂したファンが、いきなりBruceに抱きつき、キス攻め!なすがままの彼は、フロアに押し倒されながらも、ずっとギターを弾き続けていた。その様子が何ともキュートでセクシーだった。もちろん、その女の子がちょっぴりうらやましかったというのも正直な気持ち。