Moonchild River Song/Eric Andersen

昨日、猟盤の時間がなかったと書いたけれど、かろうじて1枚購入していた。ちょうど、あるお店のポイントが多くたまる日だったので、貧乏性の私は、大急ぎでそこまで足を延ばしたのだ。特にこれという目的もないまま、店内をざっと見渡し、勢いに乗ってEric Andersenの『You Can't Relive The Past』を買ってしまった。実は、この人のことは長い間封印していたのだけれど、何ヶ月か前にネット仲間のSさんから、Rick DankoやJonas Fjeldとトリオで活動していた頃のアルバムを聴かせてもらい、そろそろ封印を解いてもよい頃かなと思い始めていたところだった。
私が3回以上ライヴを見たアーティストなんて数えるほどしかいない。なのに、意外にもEricはちょうど3回見ている。そんなに意識していないのに、気が付いたらたまたま3回見ていたというだけのことだけど・・・。昨日書いたJB同様、この人のアルバムもそう多く持っているわけではないのに、聴き始めると、その言葉のひとつひとつがグサっ!グサっ!と胸に響いてくる。初めて見たライヴの時からそうだった。アルバムはおろか、ただの1曲も聴いたことがないまま、ふらりと訪れた会場の片隅で、私と友人は感極まって泣いてしまった。比較的聴き取りやすい歌詞を、あの低い声で感情を込めて歌われると、冷静ではいられなくなる。一応お断りしておくが、私は面食いを自認しているものの、なぜかこのEricやJBのように、一般受けする甘いルックスには、まったくときめかない。だから、彼のライヴで涙を流したのも、その外見とはまったく関係なく、純粋にその音楽にのみ心を打たれたということになる(当たり前のことのようで、これは案外珍しい)。2度目に見たのは、JBやWZも参加したRCRでだった。この時は、展示会場にも飛び入りで登場し、すぐ間近で話すこともできた。イヴェントのシンボル・マークの鯨のバッジの交換もし、その時の様子が雑誌の片隅に載って驚いた。
3度目はシスコの小さなホールでだった。ステージに上がった時からすでにお酒かドラッグで出来上がっていてフラフラ状態。同じ曲を2度もやったりして幻滅し、最後まで見ないまま、最前列の席を立って帰ってきた。それ以来、長い間封印していたというわけだ。ただ、不思議なことに、先月実家に帰った時、この時のライヴ・テープを発見した。録音した覚えはまったくないというのに・・・。私まで酔っ払っていたというのだろうか。