Can't Get Enough/Bad Company

昨日Eric Andersenのことを書いたものの、肝心の購入アルバムには触れていなかった。4年前に出たこの『You Can't Relive The Past』は、ライナーノーツや歌詞などを読む限り、亡くなった友人や身内へのトリビュート的な意味合いも込められているようだ。Lou Reedと共作の表題曲通り、過去が再び蘇えるわけではないけれど、音楽という炎によって、思い出は生き続ける、と彼は述べている。80年代半ばに、古くからの友人Townes Van Zandtと吹き込んだまま紛失していたテープが、Townesの死後2年経た1999年に偶然発掘され、それを元にして作ったアルバムというのだからなおさらだろう。亡くなった母親に捧げる曲も含まれている。家族や友人が少しずつ消えていく中で、自らの老いも自覚しながら、若い頃には真剣に考えもしなかったであろう死と向き合いながら、それでも前向きに生き続けるという姿勢は、Ericだけでなく、彼と同年代の多くのミュージシャンにもみられる(Jormaの日記の中でも、死や過去を回顧するコメントがとても多い)。そんな中、ライナーの中に、EricとElliott Murphyの写真まで出ていた。特に説明もなく、撮影年度が記されているだけなのでますます気になる。恐らく古い顔馴染みだろうが、こんなところでElliottが見られるなんて、思ってもいなかったので驚いた(なお、Elliottについては、いずれまた書く予定)。そういえば、Ericの娘Sariの10歳の時の写真も出ている。時の流れは速い。今や、彼女は成人してSSWとなり、父親とステージに立つことも多いようだ。また、このアルバムには、ミシシッピー・デルタのブルーズ・メンをバックに従えた曲もあり、ブルージーな曲好きの私にはうれしい限りだ。Ericの低く官能的(今まで気づかなかったけれど、この表現がピッタリ!)な声は健在で、聴いている間は、他のことを何もかも忘れそうになる。この前後に出たアルバムも揃えたくなり、ネット注文しようとしたら、とんでもないことになった。ちょうどバーゲンの最中で、ついあれもこれもと頼みすぎてしまったのだ。で、何でもほしがる欲ばりな私にピッタリなのが、今日のタイトル・ソング。Bad CompanyよりFreeの方が好きだけれど、実際に聴き始めたのは案外遅く、後期から逆戻りするというパターンだった。そういえば、当時のPaul Rodgers夫人は日本人だったので、彼は『夜明けの刑事』というTVドラマの主題歌を日本語で歌っていた。