Police Dog Blues/Jorma Kaukonen

私の人見知りは相当ひどい。初対面の人だけでなく、すでに顔見知りの人にも気さくに話しかけたり、挨拶できないことさえよくある。そのせいか、無愛想だと思われがちだ。ところが、そんな私が豹変する時がある。好きな物に関係すると、見知らぬ人にも平気で話しかけ、延々と話し込んでしまうのだ。今日もそうだった。以前、外出先で甲斐犬を4匹も連れた人を見かけ、思わず「甲斐犬ですよね?」と尋ねたことがあった。今日再び同じ犬を見かけ、今度はしばらく立ち止まって遊んでしまったのだ。私がこんな態度を取るのはとても珍しい。要するに、それほど甲斐犬が大好きだということだ。
アメリカ時代のボスが我が子のようにかわいがっていた甲斐犬のJeffが、猫派の私を中立の立場に変えてしまった。元々獰猛な狩猟犬で、天然記念物に指定されるほど珍しく、飼い主以外にはなつかないといわれる甲斐犬だが、Jeffは最初に出会った時からうれしそうに尻尾を振ってくれた。私は猫派のくせに狼やコヨーテだけは大好きだったので、甲斐犬にもその面影を見つけ、たちまち夢中になった。帰国後、雑誌やTVで同種を見かけることはたまにあっても、実物を目にすることはなかった。だからこそ、目の前で4匹に出くわすと、声をかけずにはいられなかったのだ。
甲斐犬は警察犬としても活躍するらしい。そこで今日のタイトル・ソングは決定!オリジナルはBlind Arthur Blake。ここでもJormaのフィンガーピッキング・ギターが冴えている。Jormaといえば、先週アメリカで放映されたTVドラマ『Friends』の今シリーズ最終回のエンディングに、JAの「Embryonic Journey」が使われたことが彼の日記に書かれていた。この話題は、オンエア直後からすでに、いつものMLでもちきりだったけれど、Jorma自身も、初期のJAの自作曲が、こうして効果的に使われたことを、とても誇りに思うとコメントしていた。何と、旧友のSpencer Dryden(まもなくベネフィット・ライヴが行なわれることはすでに書いた)からお祝いの電話があり、長時間語り合ったという。そして、JAというバンドの一員であったことが、アーティストとして、また1人の人間としての自分の成長に、どれほど重要な役割を果たしていたかということを改めて痛感し、旧友たちに感謝したいと結んでいた。一時は、JA時代は悪夢のようだとまで書いていたので悲しかったが、このように肯定してくれると、とてもうれしい。