Buried Alive In The Blues/Janis Joplin

このところ、見たり聴いたりする音源や映像が多いので、ネット・ラジオはずっとごぶさた。先程何となく気分転換のつもりでアクセスしたのは、自分のカスタム・メイド局ではなく、Live365Radioのサイト。しかも、普段そこで選ぶのは「Radio Cipollina」なのに、なぜか今日に限って、数ヶ月ぶりに「British Blues Radio」という局を選んだ。偶然にも、高校生の頃愛聴取していた『Blues Anytime』シリーズからの選曲が多かったので、なつかしくて聴き込んでしまい、止まらなくなった。John MayallにJeff BeckJimmy PageEric Clapton、Savoy Brownらが次々に流れる。Nicky Hopkinsのピアノも聴こえてくる。しばらく浸りきっていた。キリがないのでようやくオフにして、サイトも閉じたはずなのに、その後もずっと流れたまま止まらなくなった。怪奇現象?
私が、あまり意味もわからないまま、ブルーズに惹かれるようになったのは小学生になったばかりの頃だった。父がよくアメリカ民謡を口ずさんでいたので、そういうものも嫌いではなかったけれど、それ以上に気になったのが、マイナー・コードの重苦しいメロディだった。もちろん、それが「ブルーズ」と呼ばれる音楽だということを、当時の私が知るわけがなかった。一体、いつどこで、どんな曲を耳にしたのか、全く記憶にないけれど、何度となく耳に入っていたことだけは覚えている。そして、そういうメロディを聴くと、憂鬱な気分になるどころか、どこかなつかしさを感じ、安心感さえ得られたものだった。小学校の終わり頃から、少しずつロックを聴くようになったけれど、そこでもやはり、好みは明るく軽快なものではなく、暗く重いメロディばかりだった。そして、それらがブルーズの影響を受けているのだということを知り、幼い頃から無意識に気に入っていた音楽がブルーズというものだということにようやく気付いたのだった。そんな風に、本能的に気に入ったものなので、未だに、特に系統立てて聴いているわけでも、細かく分析しているわけでもない。耳に入る物が、媚薬のように、身体中の筋肉と神経を弛緩させ、うっとりとした気分にさせてくれるだけで充分。でも「生きながらブルーズに葬られ」ているわけではない。
そんな今日のタイトルは矛盾している。Janisのヴォーカルは入っていないのだから。その彼女の伝記映画が作られるらしい。演じるのはRenee Zellweger。華がないのであまり好きになれない人だけれど、まあミスキャストではないだろう。でも、できることならJoss Stoneに演じてもらいたい。