Come To My Bedside/岡林信康 with Eric Andersen

昨日「あこがれのニューオリンズ/踊り子ルイーズ」を書いておきながら、バックが鈴木茂ハックルバックだということに触れなかったのを、Fさんから鋭く指摘された。Pink Cloudの話題に進むことに夢中で、うっかりしていた。日本のバンドで一番多くライヴを見ているのがハックルバックだというのに、何たる不覚!とにかく、中央線沿線に散在していたロフト各店に、以前紹介した自称「カウガール」と一緒に、せっせと通ったものだった。彼女は私以上に鈴木茂に熱を上げていたので、その分私は醒めた眼で見ていた。でも彼のギターはもちろん、佐藤博のファンキーなキーボードも大好きだった。鈴木茂といえばはっぴいえんどはっぴいえんどといえば岡林信康のバックを務めたこともある(ついでながら、岡林の恋人だった吉田日出子は、後に鈴木茂のもとに走った。さらに数年前には高橋克典と噂されていた。相手がどんどん若返るのはすごい!)。
で、タイトル・ソングにつながるわけだが、岡林は日本語で、Ericはもちろん英語で歌っていた。RCRでWZの「Hasten Down The Wind」の次に印象的なステージだった。
今日は、先日届いたばかりのEricの『Memory Of The Future』と『Beat Avenue』を聴いた。『You Can't Relive The Past』の前後に出たアルバムだ。特に後者は2枚組で、Disc2の大半を占めるアルバム・タイトル曲は圧巻!Ericが20歳だった1963年11月22日(JFKが暗殺された日)の夜、シスコのハイト・アシュベリーで開かれたビートニク集会での出来事が、26分にわたって歌われている。Ericのアルバムには珍しく、これには歌詞カードがついていないので、必死で耳で追わなければならなかったけれど、退屈するどころかグイグイ引き込まれていくばかりだった(幸い、歌詞は彼のサイトで紹介されていることがわかりホッと安心)。Allen Ginsberg、Lawrence Ferlinghetti(『ラストワルツ(The Last Waltz)』にも出演!)、Neal Cassidy、Jack Kerouac・・・とビートの主要人物が、歌詞の中に揃って顔を並べている。そういえば、ビートニクを描いた『Heartbeat』をノースビーチで見たことを思い出した。全体が重苦しい映画の上、客席の周囲にマリファナの煙が立ち込めていた(『地獄の黙示録(Apocalipse Now)』の時もそうだった)。同じくビートニクをテーマにした、Keanu Reevesの『死にたいほどの夜(The Last Time I Committed Suicide)』もあったけれど、これも暗かった。ドキュメンタリーの『ビートニク(The Source)』の方が、ずっと見応えがあった。