Subway/Quicksilver Messenger Service

蒸し暑さのあまり、6時頃目が覚めたらすごい格好をしていた。寝ている間に着ているものをほとんど脱ぎ捨てていたようだ。1人暮らしでよかった。
今日はちょっと実家に帰ることになっているので、もう1度寝直すわけにもいかず、アラームが鳴る時刻までそのままボーっとしていた。こんなに蒸し蒸しするくせに風は強そうだ。ものすごい轟音が部屋の中まで鳴り響いてくる。まさか、電車が止まったりしないだろうな、と思う間もなく、予定通り実家に着いて簡単に用を済ませた。後は、特に何もすることがないので暇をもて余していた。夕方になっても暑い上、今にも雨が降りそうなので、散歩さえできない。CDプレイヤーを持って来なかったことを後悔した。
退屈しのぎに9時からBSで『マンボ・キングス わが心のマリア(The Mambo Kings)』を見始めた。キューバのミュージシャン兄弟が、ギター・ケース片手にアメリカに向かう50年代の話だというし、弟役のAntonio Banderasは「一応」好きだから(でも、あの胸毛と眉毛のせいでかなり減点!誕生日が私と同じなのはプラスだけれど)。ところが、早起きしたせいか、彼らがNYCに着いた頃からついウトウトしてしまい、気が付いたらほとんど終わっていた。現金なもので、出ている俳優に対する熱の入れ方の度合いによって、最後まで見るかどうかに対する気合の入れ方も違ってくるようだ。
うたた寝のせいで、映画が終わった後、なかなか眠れなくなった。困った悪循環だ。追い討ちをかけるように、夜になってもいっこうに涼しくならないので、ますます寝付けない。そんな時、買ったことさえ忘れていたTom Waitsが表紙の『SWITCH』86年2月号を見つけた。特集は彼の他にBob Greene。でも、じっくりと活字を追えるほど目が冴えてはいないので、ただパラパラとめくり始めただけ。そんな中、ふと目を引いたタイトルがあった。「BARTに乗りながら考えたコラムニストのこと」というものだ。中身より「BART」という言葉に大いに反応してしまった。「Bay Area Rapid Transit」を略したものであることからもわかる通り、シスコやバークリー、オークランドなど、ベイエリアを結ぶ地下鉄(一部、地上や海底も走る)のことで、私もよくお世話になった。ただし、残念ながらタイトル・ソングは、ベイエリアで生まれたにもかかわらず、BARTのことを指しているのではなさそうだ。曲ができた時、BARTはまだ開通していなかったのだから。