New Song (For The Morning) /Hot Tuna

目が覚めたら、感動するほど爽やかな朝だった。肌に触れる空気の感触は、ちょうど初めてアメリカで迎えた朝のそれとよく似ていた。その時、部屋の窓から外を見下ろしながら、タイトル・ソングのイントロ部分が浮かんできたのだけれど、今日もまるで同じだった。といっても、この曲、最初は♪Looked outside my window〜♪で始まるものの、♪Fog came up to play, That gray outside is around my head♪と続き、決して爽やかな内容ではない。でも、この後の仕事のことを考えると憂鬱になるので、まさにこの曲通りと言うべきか。
今回は、途中でバタバタしないよう、きちんと計画的にこなしていくはずだったのに、ここにきて慌てふためいているのだから、やっぱり私の意志は弱いようだ。とにかく集中!と思えば思うほど、雑念や妄想に囚われる。そんな時には、無理矢理集中しようとしてもムダなので、昨日の「うるうるソング」の続きを考えてみた。Pentangle「House Carpenter」やBruce Springsteen「The River」をうっかり書き忘れていたことに気が付いた。
そうするうちに、さらに集中力がそがれるようなことになった。注文していたCDがどっさり届いたのだ。さすがに、手をつけるゆとりがないのはわかっていたけれど、よりにもよってこんな時に届くなんて皮肉なものだ。まあ、たとえCDを聴かなくても、徹夜を避けられないのが明らかになってきた。そう思うと少し開き直り、買い物に出かけることにした。むしょうにトマトが食べたくなったので、一番近いスーパーに自転車で向かった。外の空気は家の中以上に爽やかで、そのままフラフラとどこかへ走って行きたくなる衝動をこらえるのが大変だった。とりあえず、真っ赤なトマトを確保した後、「ある物」が並んでいないかチェックすることも忘れなかった。それは夏みかん!店頭から姿を消して、もう何年になるだろうか。全然見かけなくなって、寂しくてたまらない。無駄なあがきと知りつつ、毎回探してしまう。甘夏ではダメ。私が食べたいのは夏みかん。激辛料理が好きなのと同じくらい、小さい頃からすっぱいものに目がないのだ。仕方がないので、今は沖縄名物のシークワーサーの100%果汁で我慢しているけれど、幻の夏みかんがどこかで手に入らないものだろうか。
帰宅後、トマトを3個丸かじりして、また仕事の続きに入った。今夜さえ乗り切れば後は楽!、そう自分に言い聞かせながら。