Youg Girl Sunday Blues/Jefferson Airplane

夕方、家に向かう電車に乗って川の上にさしかかった時、ちょうど右側のビルの上空に飛行機の姿が見えた。あまり良くない私の眼にも、機体の底面がはっきり見えるくらいの低空飛行だった。生涯を通じて最愛のバンドがJefferson Airplaneなので、つい「飛行機」にも過剰反応してしまうが、近付いているという台風の影響が微塵も感じられないローズ・ピンクの夕空を背景に、超現実的な光景だった。
それなのに、タイトル通り、何となく憂鬱な気分になっている。若い女の子(私も、メンタル面では万年ティーンエイジャー!)につきものの、根拠のない憂鬱というものだろうか。漠然とした不安にとらわれている。1ケ月ぶりに、仕事やその他諸々の雑用から逃れて、自分が一番好きな週末の過ごし方をしたばかりだというのに。
タイトル・ソングは、前に書いたように私の「うるうるソングBEST3」の1つで、イントロを聴いただけでじわ〜っとした想いがこみあげてくる。そして歌が始まると、もう我慢の限界だ。Marty Balinのヴォーカル(正直に言うと、JAのヴォーカルで好きな順位をつけるとすれば「5番目」だというのに)が、思いっきり泣かせてくれる。特に♪Today is made up of yesterday and tomorrow♪という部分は、初めて聴いた時からとても心に残るフレーズだった。
帰宅後、気分を変えてNicky Hopkins/Mick Taylor/Bobby Keysによる92年4月のライヴ音源を聴いた。この顔ぶれからわかるように、全員Rolling Stonesと深い縁があるので、当然のことながらStonesナンバーも演奏している(大好きな「You Gotta Move」も!)し、客席からもさまざまなリクエストが飛び交う。でも、私が一番楽しみにしていたのは、ご存知、Nickyの「Edward The Mad Shirt Grinder」。これまですでに、QMSやTerry & The Piratesなどによるさまざまなライヴ・ヴァージョンを聴いているけれど、Cipollinaではなく、Mick Taylorをバックに従えているのはもちろん初めて。とても貴重なライヴだ。ただ、ホーンだけはどうしても好きになれないので、このライヴでもBobby Keysのソロ・パートにさしかかると、それまでせっかく高揚した気分が冷めてしまう。申し訳ないのはわかっているけれど、こればかりは誰から何と言われようと、理性ではどうにもならないことなので仕方がない。こんなありがたいレア音源の中でさえ、耳障りに感じるのだから、私のホーン・アレルギーも筋金入りだ。