Fotheringay/Fairport Convention

また2ケ所からCDが届いた。どちらもエアメイル。このところ女性物が多かったのに対し、今回はいずれも新旧男性SSW。数ヶ月前に国内のネット・ショップに注文したのに、さんざん待たされたあげく「入手不可能」の知らせが来てガッカリしていたところ、海外のショップで送料より安く入手できることがわかったので即注文したTom McRaeの1stと、前に自分のラジオ局で「Three Hours」という曲が流れて一耳惚れしたNick Drakeの『Five Leaves Left』だ。Nick Drakeは、大昔から何となく気になっていながら、つい聴きそびれていた人で、とても遅い出会いと言える。一方、Tom McRaeは2000年にデビューしたばかりの人で、1〜2年前にどこかでたまたま名前を見つけてからずっと、興味をそそられていた。後でわかったことだけれど、この人について語られる時、何かとNick Drakeが引き合いに出されることが多いようだ。要するに、どちらも「爽やか系」にはほど遠く、私の好みに合うということなんだろう。
でも、こんな時に限って、いつも困った事態に陥る。前にドサっと届いたCDをまだ充分に聴き込むだけの時間がない上、私にとって最優先すべきライヴ音源も大量に手に入ったばかりだから(TunaやQMSのフィルモア音源やら、Jormaの最近のライヴやら)。しかも、よりにもよってちょうど今日から急ぎの仕事が入っている。
そんな中で、目下、すべてをさしおいて聴いているのは、Fotheringayの1970年のライヴ音源。Gさんのサイトで毎週恒例の人気投票があり、今回はFairport Convention部門も含まれているので、その勢いに乗ったままFotheringayも聴き始めたというわけだ。Sandy DennyがFairport Convention脱退後に結成したバンドだから。そのバンド名でもあると同時に、今日のタイトル・ソングでもあるFotheringayとは、スコットランドの女王Mary Stuartが幽閉され、斬首されたお城の名前から取られている。当然、タイトル・ソングの歌詞、特に♪Tomorrow, at this hour, she will be far away♪という部分はとても重く暗い。そう、ちょうど刑の執行の前の日のことが歌われているのだから。あえてこういったいわくつきの固有名詞をバンド名に選ぶなんて、その後の彼女の不幸な生涯を何となく暗示しているようだ。ちなみに、アメリカ人には、この固有名詞はあまり馴染みがないようで、前に「Fotheringayってどういう意味?」という質問が出て驚いたことがある。