The Battle Of Evermore/Lovemongers

昨日Fotheringayのことを書いておきながら、Fairport Conventionとの馴れ初めを書きそびれていた。といっても、よくあるように、まずはLed Zeppelin4枚目の「The Battle Of Evermore」にSandy Dennyが参加しているのを聴いて、初めて存在を知ったにすぎないのだけれど。これは常にお気に入りBest3内にランクインするほど大好きな曲でもあるから、彼女のこともとても気になった。なのに、初めてFairport Conventionのアルバムを聴いたのは、ずいぶん後になってからだった。大学3年の夏初めて渡米し、知人の家に遊びに行った時、偶然聴かせてもらえたのが最初だった。バークリーのはずれにある大きな家を男女5人で借りているという、当時よくある合理的なシェア方式(といってもヒッピーのコミューンではなく、全員普通の仕事をしていた。哲学の博士号を取った後、そのまま研究室に残っている人もいた)で、庭には野菜やハーブ、それにちょっとした嗜好品まで栽培されていて、それらを使った家庭料理で私をもてなしてくれた。食後、アメリカでは珍しくコーヒーではなくてティー・タイムで一服している時、「これ知ってる?」と言って聴かされたのが、念願の『Liege & Lief』だった。それは、すでにほろ酔い気分になっていた私の耳に、心地よい刺激となって入ってきた。中でも特に、初めて聴いた時から好きでたまらない「Matty Groves」は、「あれ?どこかで聴いたことがあるみたい」と思ったけれど、それも当然だ。Paul Kantner&Grace Slickの『Sunfighter』に入っている「Earth Mother」は、このメロディをそのまま拝借していたのだから。ただ、歌詞が充分に聴き取れず、みんなに教えてもらおうとしたら、ちょっと困った顔をされたのを覚えている。まあ無理もない。貴族の奥方が教会でMatty Grovesという名の美少年を見かけ、旦那が不在中に家に連れてきているところを見つかり、激怒した旦那に殺されてしまうというヘヴィな内容なのだから。
タイトル・ソングは、HeartのAnn&Nancy Wilsonのユニットによるカヴァーで、Neil Youngのブリッジ・コンサートのライヴで初めて聴いた。Heartは音的にもヴィジュアル的にも、『Dreamboat Annie』の頃から好きなのだけれど、多分それは私がZep好きということと大きく関係していると思う。ただ、私は断然Ann派だけれど、どうして私の好きな女性アーティストって、みんな揃ってあんな風に肥大していくのだろう。