Six Days On The Road/Flying Burrito Brothers

仕事に集中できず気晴らしに外に出て、月刊『プレイボーイ』誌のウエスト・コースト・ロック特集を立ち読みし始めた。名盤100枚の中にTunaの1stが入っていたので気を良くして、後は何も確かめずに買ってしまった。でも、よく見ると突っ込みたいことだらけ。LAとシスコでは、気候も人口も大きく違うように、両地域で繰り広げられてきたロック・シーンも似て非なるものなので、「ウエスト・コースト・ロック」と一括りにすること自体、そもそもの間違い。というよりむしろ「ウエスト・コースト・ロック=LA周辺のロック」と受け止められている場合が多い。案の定、今回の特集で記事として扱われているのもLAのバンドばかりで、大の苦手なBeach Boysには12ページも割かれていた。Eaglesの記事は、裏ネタ満載のスキャンダラスなもの。せめてもの楽しみは、以前『ローリングストーン』紙の表紙となった彼らの船上での写真の、別アングルからのショットや、イロっぽい表情でジョイントを吸うGlennの姿が掲載されていたことぐらい。また、Byrdsのページに、今は亡きSkip Battinの初めて見るショットが出ていたことにも、妙に感動してしまった。
一方、いわゆる名盤100枚という類いの選考にいちいち目くじらをたてるのはバカバカしいけれど、「完全保存版」というわりに詰めが甘い。まず素朴な疑問は、選者の2人がロックではなくジャズを専門にしている人だったということ。その必然性があったのだろうか?また、Tunaの1stが選ばれている他、JAに関しては、うんざりするくらいおなじみの『Surrealistic Pillow』だけでなく、真の大傑作『After Bathing At Baxter's』が取り上げられていることや、David Crosbyの1stソロ、Paul&Graceの『Sunfighter』まで入っているのはうれしい。ところが、QMSであえて『What About Me』が選ばれた理由が解せない。単に選者の好みの問題ではすませてほしくないことだ。さらに疑問なのは、Steve Miller BandやCountry Joe & The Fish、Cold Blood、それに最盛期のJSなどがまったく無視されていること。そのくせ、どうってことのないWilson Phillipsの新作が堂々と選ばれているなんて、何か裏があるのではと勘ぐりたくなる。
タイトル・ソングは『ギミーシェルター』に出演した時もやっていた(まだSkipは在籍していなかったけれど)。初来日で運良くその姿を見ることができたのは涙もの。
久々にブリトーを食べたい気分だ。