Free Man In Paris/Joni Mitchell

アメリカの独立記念日に続き、今日はフランスの革命記念日、いわゆるパリ祭。といっても、パリ祭でまず思い出すのは同名のシャンソンだ。小学2〜3年の頃、初めて買ったレコードの中に入っていた。私が最初に行きたいと思った国はフランスだった。多分それは、幼稚園の頃から大好きだった童話の舞台が、すべてフランスだと勘違いしていたからだと思う。一番好きだった『眠れる森の美女』の原作が、フランス人のCharles Perraultによるものだから無理もない(『シンデレラ』も同じ原作者だけれど、Disneyのアニメでは、オーロラ姫が美しく表現されていたのに比べ、シンデレラは今ひとつだったせいか、あまり思い入れがない)。
この初めて買ったレコードは、フランスを紹介する写真集のおまけとしてついていた。といっても、当時流行りのソノシートではなく、れっきとしたレコードで5〜6曲入りだった(タイトルを覚えているのは「パリ祭」「パリの空の下」「ラ・メール」「枯葉」ぐらい)。フランス語の歌詞の下にカタカナ表記があり、レコードに合わせて口ずさんだりしていた。一番お気に入りは「パリの空の下」で、今でも出だしの♪Sous le ciel de Paris S'envole une chanson Hum Hum〜♪あたりなら覚えている。でも、フランス熱が続いたのはせいぜい中学生の頃まで。ロックを聴き始めて、フランスより英米に目を向けるようになったからだ。高校生になると、フランス映画さえほとんど見なくなった。それどころか、徐々にフランス嫌いになっていき、初めて渡欧した時、フランスに足を踏み入れることは1度もなかった。2度目の時は半年間の滞在の上、利用したディスカウント便がパリ発着だったので、避けるわけにはいかなかったけれど、到着したその日に、さっさとドーヴァーを渡ってイギリスに向かったほどだ。ところが、南仏を回っているうちに、あまりに居心地が良く、親切な人も多いので、フランスに対する偏見を改めることにした。
あまり意味もなく選んだタイトル・ソングは、Joniのアルバムで最初に買った『Court And Spark』より。
パリといえば、『ラジオタウンで恋をして(Tune In Tomorrow)』という安っぽい邦題のついたKeanu Reevesの映画に、'In Paris, all women are older than men'という印象的なセリフがあった。15歳も年上の叔母(Barbara Hershey)とパリでめでたくハッピー・エンドとなるラスト・シーンで、Keanuが囁く粋なセリフだ。