Scarborough Fair/Marianne Faithfull

この2日間とはうって変わったかのように、実にさっぱりした気分で起床し、午前中、仕事絡みで外出した。日曜なのに、電車は案外空いている。帰省ラッシュがすでに始まっているからだろうか。退屈しのぎに人間ウォッチングをするのが好きなのに、めぼしいターゲットが見つからない。でも、乗り換えの難波駅に降りた時、すごい人を発見!20歳ぐらいのごく普通の女の子だけれど、問題はその後ろ姿。タンクトップの背中の部分に、デカデカと「Young Lust」というロゴが書かれていた。ニキビ面の体育会系の男子学生が着ていたら、大笑いしてしまうけれど、地味そうな女の子が着ていると、逆に、ヘンなガイジンに誤解されて、どこかに連れて行かれはしないかと気になった。余計なお世話だろうか。でも、何年か前に、それ以上にすごい物を見つけ、唖然としたことがある。その時も、着ているのは、本当に目立たないごく普通の女の子だった。そんな子が「Flesh Gal」というTシャツを着ていたのだから、目が点になるしかなかった。もちろん「Fresh」のミス・プリントということは誰にでもわかる(たとえ、正しいスペルで「Fresh Gal」と書かれていたとしても、これまたヘン)けれど、たまたまシャレにならない意味合いになってしまうのだから大変だ。こんなのを着て夜道を歩いていたら、「おいしそうな獲物が落ちている」と誤解されても仕方がない。海外でも、明らかに間違った漢字や、意味のない日本語のTシャツを着ている人を時たま見かけるけれど、間違った英語の場合、ジョークで済ませられないことも多いので、充分に注意すべきだと思う。
さて、用を終えた帰り道は、何となく気まぐれで、難波まで2駅分歩いてみた。せいぜい15分程度の道のりで、途中にお店も多く、退屈せずに歩くことができ、あっという間に黒門市場まで辿り着いた。私は、国内外問わず、市場や朝市、それに蚤の市といったものが大好きで、たとえ買う気がなくても、つい覗いてみたくなる。そして、結局、何かを買う羽目に陥ることが多い。生鮮食品の多いこの黒門市場では、幸い、何も買わずに済んだ(でも、その後、駅ビルで宇治ミルクのかき氷を食べてしまった)けれど、ヨーロッパの朝市では、キロ単位の果物を3種類ぐらい買いこんで、自らを果物責めにしてしまったこともある(こんな責めなら大歓迎)。
タイトル・ソングは「市」にちなんで選んでみた。でも、暗い歌詞はまったく無関係。