The Greeks Don't Want No Freaks /The Eagles

アテネ・オリンピックの開会式がいよいよ明日に迫り、すでにサッカーなどの予選が始まっている。なのに、一部の会場付近では、工事がまだ完成していないという。さすがギリシャだ。でも、私はまだ1度しか行ったことがない(初渡欧の時、安いチケットに、たまたまアテネまでの追加フライトが付いていた)。
カルチャーショックを受けることなんて滅多にない私なのに、空港に着くやいなや、強烈なパンチを受けた。パスポートを見せたとたん、入国審査官は写真をじろじろと眺め始め、見終わると、他の仲間たちにそれを回覧し始めたのだから。日本人がそれほど珍しいわけではないだろうに、そのリアクションには驚くばかりだった。そんな不自然な事態は、市内に入ってからもずっと続いた。数十メートル歩く間に、何と数人が声をかけてくる。その方面では悪名高きイタリアでさえ、高校生ぐらいの子にしか相手にされなかった(喜ぶべきか悲しむべきか)のに、ギリシャではティーンエイジャーからお年寄りまで全ての年齢層が次々に話しかけてくる。屋台で珍しいお菓子を買う時、どんな味がするのか尋ねても、「お嬢さんのようにとってもスウィート!」とウインクしながら答えられる始末。街でよく見かけるプレッツェル売りのおじいさんに至っては、お金を持っていない(厳密には、ちょうど小銭を持ち合わせていなかっただけ)と言うと、「これあげるから、食べなさい」と言ってくれてかえって恐縮した。「チャイを飲みに行こう!」と誘ってきた高校生の2人組は、どう見ても危険な感じではなかったので、しばらく付き合っておしゃべりした(英語が通じないので、ほとんどジェスチャーで)。唯一、怖かったのがカセット・ショップに行った時のこと。民族音楽好きの私は、ギリシャの楽器ブズーキのカセットを何本か買った後、同じお店でロックのカセットも激安で売られていることに気が付いた。「Made in Greece」とプリントされているのも、怪しげで面白い。そう思って、夢中で見ていたら、店主のおじさんが「2階に行けばもっとたくさんあるよ」と言うので素直について行った。そこは倉庫のようなところで、危うく鍵を閉められるところだった。普段はとても慎重なのに、音楽が絡んだため、冷静な状況判断ができなくなったようだ。幸い、とっさに身構えて、事なきを得たけれど。私は「フリーク」ではなく、まともそうに見えたから、ギリシャ人に受けたというわけ?