Miracles/Jefferson Starship

世間は狭いと思うことがよくある。趣味の世界内では特にそう。知り合いの知り合いが、自分もよく知っている人で、そのまた知り合いも実は知り合い・・・という風に、いつの間にか大きな網目のようにつながっているというのも珍しくない。要するに、限られたスペースに、それだけ同類が集まっているということなのだろう。だから、今では多少のことに驚かなくなっている。ところが、それを越えたところで、何ヶ月か前にあっと驚いたことがある。
大げさな言い方をすれば、かつて私は一種の「CMウォッチャー」だった。そんな私の印象に強く残っているものの1つに、数年前よく目にしたソフトウェアのCMがある。有名人が出ているわけでもなく、作りもシンプルなのに、妙に洒落たセンスが気に入っていた。3種類あった中で、特に、手足が長くワイルドなイメージの白人の若い男性が出ているものがひときわ目を引いた。お茶の間向けの爽やかで健全なイメージにはほど遠いのに、(だからこそ?)不思議な魅力の感じられる人で、てっきり、どこかの大物ミュージシャンの息子に違いないと決め付けていたほどだ。
残念ながら、その会社の後続CMを目にすることはなかったけれど、今頃になって驚くような事実が判明した。それを撮影したのは、日頃お世話になっているGさんのボードの常連さんの1人で、第一線で活躍しているプロの写真家yさんだったのだから。yさん自身も、私がそのCMを覚えていたことを喜んでくれて、色々な裏話を教えて下さった。現地でキャスティングまで任されていたそうで、当然、その男性(Gavinという名らしい)を選んだのも彼。最初、クライアントの猛反対にあったものの、強引に押し切ったとのこと。さすが、見る眼のある人は違う!当時、Gavinは、そのシャープでワイルドな風貌が災いして、ほとんどのオーディションに落ちていたという。そのGavinのオフィシャル・サイトができていることを、昨日yさんが教えてくれた。今では、有名アーティストのプロモーション・フィルムへの出演やモデル業の他、小説や脚本まで書いていることがわかった。これもみな、先見の明のあったyさんのおかげだろう。何と、日本の企業のCMにも出ているようで、ここでさらに驚いたことに、その中の1つが弟の勤めている会社だった。しかも弟の担当部署の製品なのだから、これはもう偶然を通り越している。でも、このタイトル・ソングは、ちょっと大げさすぎるかな。