The Great Pretender/Freddie Mercury

本年度の「ロックの殿堂」入りアーティストがノミネートされたらしい。JAのバイオグラフィの著者Jeff Tamarkin氏が選考委員の1人なので、いち早く情報が伝わった。その顔ぶれをアルファベット順に並べると、次の通り;Grandmaster Flash & The Furious Five / Buddy Guy / Wanda Jackson / J. Geils Band / Lynyrd Skynyrd / Randy Newman / The O'Jays / Gram Parsons / The Pretenders / Sex Pistols / Percy Sledge / Patti Smith / The Stooges / Conway Twitty / U2。初めて耳にする名前も、2組ばかりいる。昨年度も、同様の事前情報とその「からくり」を、Tamarkin氏から聞いていたので、今さら驚くことはないけれど、選考委員の中には、彼のように心から音楽を愛する人だけでなく、レコード会社のお偉方も多いため、その選考基準は、年を追うごとにずいぶん偏ったものになっているという。
一部の幹部の独断と偏見が重視され、彼らの会社のお抱えアーティストが優遇されるというのが、その原因の1つらしい。だからこそ、この「殿堂」そのものを、単なる一地方都市(オハイオ州クリーヴランド)の観光名所にすぎないものとしてとらえ、その細かい中味にはあまりこだわらない方が身のためかもしれない。
昨年同様、今年も、JAの「2400Fulton」メイリング・リストでは、この話題についてもちきりで、「○○がノミネートされているのに、○○が無視されるのはおかしい!」とか、「○○や○○はロックなんかじゃない!」といった議論が白熱しているけれど、あまりむきになるのはどうかと思う。ちなみに、JAは数年前に殿堂入りしている。
話は変わって、最近、某携帯電話のCM(関西限定?)で、The Bandヴァージョンの「The Great Pretender」が流れている。Richard Manuelのヴォーカルが実に切ない。80年代半ばに再結成して来日した時、すでに彼は、妙に神経がピリピリした様子で、近寄りがたい雰囲気をかもし出していた。そのため、まもなく、彼の痛ましい亡くなり方の知らせを受けた時も、それほど意外な気がしなかった。
The Bandといえば、この曲以外にウイスキーのCMで「The Weight」と、料理ヴァラエティ番組のエンディング・テーマとして「Theme From The Last Waltz」が使われたことぐらいしか記憶にないけれど、いずれの場合も、TVを真剣に見ていない時でも、これらの曲が流れると、思わず顔を上げて画面に注目してしまうだけのインパクトがあった。
といいつつ、タイトル・ソングは、ちょっとフェイントをかけてFreddieヴァージョンで・・・。