Just Like A Woman/BobDylan w/h LeonRussell

仕事部屋に缶詰めで身動きが取れないと、せめて、気持ちだけでも現実逃避したくなる。というわけで、訪問地シリーズ3回目。
意外なことに、滞英中、Brian Jonesの生まれ故郷とお墓参り、そして亡くなるまで住んでいたコッチフォード・ファームのいずれにも、行かず終いだった。特にC.ファームは、Brianだけでなく『くまのプーさん』の作者A.A.Milneが住んでいた家でもあるので、今なら、絶対に見逃すはずがないのに、当時は情報不足が大きなネックとなった。
では、他にどんな所に行ったのかというと、無難なところではストラトフォード・アポン・エイヴォンにあるShakespeare絡みの家の数々。私は英文学専攻ではないし、古英語には疎いので、彼の作品にはそれほど思い入れがないけれど、さすがにどの家も庭園が見事なまでに美しかった。それから、意外にも、天井が低くベッドが小さいので、当時のイギリス人は、案外小柄だったんだなと思った。
もっと自分に近いところでは、詩人Dylan Thomasの出身地、ウェールズスウォンジーも訪ねてみた。英語ではSwanseaと書く(ウェールズ語では何と書くのだろう?)ので、まるで「白鳥の海」のようだ。でも「スワンシー」とは読まない。それに、Dylan Thomasといっても、ロック・ファンにとっては、その作品よりも、Robert Zimmermanが「Bob Dylan」というステージ・ネームをつける時、その名前を拝借した人としての方がずっと有名だろう。私自身そうだった。大学生の頃、書店の詩集コーナーで何気なく物色していたら、近くにいた見知らぬ男の子が、Dylan Thomasの詩集を差し出して、「この人知ってる?Bob Dylanのアイドルだよ」と声をかけてきて、初めてその存在を知った(はたして、これも巧妙なナンパの手口だったのだろうか?)。でも、その後の情報によると、Dylan自身は、この有名なエピソードをずっと否定しているようだ。
Dylan Thomasは、スウォンジーを「ugly, lovely town」と呼んだけれど、実際は、lovelyでこそあれ、決してuglyなんかではなかった。滞在中、ずっと雨模様だったのも、風情があってよかった。
ところで、お気に入りのDylanの曲は数多いのに、なぜタイトル・ソングにこれを選んだかというと、さっき食事中に久々に『鉄腕DASH』を見ていたら、番組の中で偶然、これが流れたから。でも、Leon Russellもコーラスをつけている『バングラデシュ』ヴァージョンにしておこう。