Tara/OST from 『Gone With The Wind』

現実逃避はさらに続く。今回は、イギリスから海を越えてオランダに。オランダといえば、アムステルダムでは、ソフト・ドラッグが事実上、解禁されているけれど、そういう区域には足を運ばなかった。こう見えても、私はかなりの慎重派で、1人旅の時は全ての責任を自分で負わなくてはならないから、少しでもヤバそうな所には、決して出入りしないことにしている。日没後の外出も一切しない。その分、朝早くから行動するという、信じられないほど健全なスケジュールだった。よく考えると、それは旅行中に限ったことではない。普段も、夜出かけることなんて皆無に近い。家の中では、あきれるほど夜更かしするくせに、外で遊び回るのはどうも苦手なようだ。
前置きが長引いた。では、アムステルダムでどこに行ったかといえば、まずはハイネッケンの工場見学。真昼間からビールを試飲でき、しかもおつまみにチーズが付いてくるというのがうれしかった。その後、大好きな画家の1人、Vincent Van Gogh美術館へ。さらに時間が余ったので、ブラブラしていたら、あのAnnne Frankの隠れ家の近くを通りかかったので、特に深い意味もなく覗いてみることにした。オランダの家は、階段が狭くて傾斜が急で、とても上りづらい。私が泊まる安ペンションには、エレベーターなんかないので、重い荷物を持ったまま、死にそうになって一段一段上がって行く。Anneが身を潜めていた家もそうだった。転げ落ちないようにゆっくり上がり、驚くほど狭い部屋に入った。ほんの話の種にざっと見て、すぐに引き上げるつもりだった。ところが、彼女が実際に使っていた机の正面の壁に、雑誌の切抜きが貼られているのを見たとたん、そこでの生活のリアルさが伝わってきて、思わず涙ぐんでしまい、しばらくその場から離れられなくなった。これは自分でも意外だった。そんな風に感情移入してしまうとは、思いもしなかったから。ちなみに、壁に貼られていたのは、Leonardo Da Vinciの自画像のスケッチと、『風と共に去りぬ(Gone With The Wind)』のScarlettに扮したVivian Leeの切り抜きだった。
というわけで、タイトル・ソングは同映画より。でも、正直に言うと、今も昔も、この曲はそれほど好きではない。中学生の頃は、シングルのサントラ盤を集めるのが趣味だったけれど、同然のことながら、これは持っていない。ストリングスが目立ちすぎるのが、苦手な理由と言えそうだ。