Sicily/Elliott Murphy

すでに書いた通り、実家に戻ってくると夜はTV三昧となる。でも、昨日の『Ed Sullivan Show』はモータウン特集だったのでパス(この前来た時もDiana Ross特集だったので、同様にパス)。ブルーズは好きなのに、ソウルやR&Bとなると、急に興味が薄れてしまうのはなぜだろうか。そして、深夜に放映された『Best Hit USA』では、最近タイトル・ソングに使ったばかりのJoe Cockerの「You Are So Beautiful」が、偶然にも流れていた。
今夜放映されたのは『ベニスに死す(Death In Venice)』。Luchino Visconti作品は、初期の頃の比較的地味な物も含め、意外とよく見ているのに、なぜかこれだけは公開当初から気乗りがせず、ずっと見そびれていた。今回初めて見る機会を得たにもかかわらず、結局、チャンネルをコロコロ替えながら、適当に流してしまった。これほどまでに興味がないのは、私がBjörn Andresenに何の魅力も感じないことが、大きな理由かもしれない。この映画の中で大きな意味を持つべきはずの人物なのに、私にはどうしてもミス・キャストに思われて仕方がない。もちろんこれは、長年の勝手な思い込みにすぎないかもしれないので、彼が登場するシーンは、なるべく先入観や偏見をもたず、真剣に見ることにした。それでも、やはりこれまでの考えを改めることはできなかった。彼に与えられた役柄に求められる上品で気高い美しさや神秘性が、どうしても感じられない。それどころか、北欧の街を歩けば、案外簡単にみつかりそうな、そんな庶民性すら感じられる。最初に彼を見たのが『純愛日記(A Swedish Love Story)』というB級映画だったことと、大きな関係があるかもしれない。しかも、そこで彼は主役ではなく、仲間の1人にすぎず、特に目立つ存在ではなかった。それなのに、『ベニスに死す』での彼の評価は意外なほど高い。映画史上に残る「究極の美少年」として、今もなお、他の追随を許さない。確かに、きれいであることは否定はしない。でも、安っぽさが目に付いて仕方がない。うまく言えないけれど、何かが違う。ところで、彼がその後も母国スウェーデンで何本もの映画に出ていることを知って驚いた。最新の記事まで見つけてしまった。http://www.el-mundo.es/magazine/2004/228/1076078608.html
2日連続でEMが占めるタイトル・ソングは、ただのイタリアつながり。ただし、ヴェニスには行ったことがあるけれど、シシリー島は未踏の地。