Splendid Isolation/Warren Zevon

いくら片付けても仕事はたまる一方だし、世の中の動きを見ても、イヤな方向に流れていくばかりなので、気が滅入ってしまう。それとは別に、特に理由もなく、不安に囚われている。誰かにいじめられたとか、ケンカしたとかそういったことではないし、ましてや、私の機嫌を大きく損ねる台風が近付いているわけでもない。頭の中に漠然としたもやもやが渦巻いていて、気持ち全体が沈んでいるだけのこと。取り越し苦労にすぎないことを望むけれど、私は勘が鋭い方(と言えば聞こえが良いけれど、実は「動物的嗅覚が鋭い」だけ)なので、何となく気になって仕方がない。ひどく悲観的になって、今日のタイトル・ソングを思いついたものの、よく見たらこれは孤独を「素晴らしいもの」とみなして、それを楽しんでいる曲のようだ。でも、その真意は逆のようにも受け止めることができる。つまり、単に強がりを言っているだけなのではないか、ということ。ちょっと話は逸れるけれど、強がりを言っている歌といえば、Neil Youngの「A Man Needs A Maid」がすぐに浮かんでくる。「部屋を掃除し、食事の用意だけして帰っていくメイドがいるだけでいい」と言っているくせに、最後には、♪When will I see you again?♪と問いかける(もちろん、これはメイドに対してではなく、いなくなった恋人に対して)。こんなことを平気で歌えるからこそ、Neil Youngという人は憎めない。
話を元に戻そう。「Splendid Isolation」は、♪I want to live alone in the desert, I want to be like Georgia O'Keefe♪で始まる。Georgia O'Keefeとは、20世紀を代表するアメリカの女流画家だ。そして、偶然にも、一昨日話題にしたばかりのサンタ・フェで晩年を過ごし、現地には彼女の美術館が存在することもよく知られている。
先日届いたWZのトリビュート・アルバムで、この曲はPete Yornがカヴァーしている。それまでまったく名前を聞いたこともないアーティストだった。聴いた限りでは、まあ悪くはない(中途半端な言い方だなあ)し、オフィシャル・サイトを覗いてみると、ちょっと気になる感じでもある。ただ、同じアルバムに参加しているJill Sobuleのように、たちまちお気に入りになったというわけでもない。
それにしても、夜になっても不安は消えず、つい、人にしゃべったら笑われた。だからといって、それがすぐに解消されるわけでもなかった。たまにはこんな日もあるんだろうか。