Turn Turn Turn/The Byrds

Hot Tunaの曲に「Killing Time In The Crystal City」というのがある。この曲に関して、目下、いつものMLであれこれ論じられている。直訳すれば「クリスタル・シティでヒマつぶし」という意味になるのだけれど、最初に投稿した人(もちろんアメリカ人)は、必死に聴き取っても、歌詞の最後の部分がどうしてもよくわからないと言っている。それに対し、また別の人が聴き取ったという歌詞が紹介されたたけれど、そこでも、いくつかの聴き取りヴァージョンがあった。ここでは、そういった内容については、長くなるので省略する。それだけでなく、タイトルそのものについても、色々な意見がとびかっていた。たとえば、ワシントンD.C.の空港のそばに「クリスタル・シティ」というショッピング・センターがあり、すぐ隣りの州にJormaの家があった(けれども、その歌が作られた時、彼はまだカリフォルニアに居た)とか、「クリスタル」には「メタンフェタミン(いわゆる『スピード』)の結晶」という意味があるとか、「透明の天井」のことだとか様々な解釈。この曲を初めて聴いたのが、かつて集団自殺で世間を騒がせたJim Jones率いるカルト教団人民寺院が所有していた八角形の建物を改造したホールで、そこの天井の8面全体がステンドグラス張りになっていた、と言う人もいた。タイトル1つ取っても、このようにあれこれ考える楽しみを与えられるのは、JA時代からの伝統の1つであり、それこそ、私がJAやTunaを好きな理由の1つと言える。ここでさらに驚いたのは、「killing time」を、「暇つぶし(to kill time)」ではなく、「殺戮の時代 (time to kill)」という意味にも捉えている人がいたということ。確かに、そのようにも考えられる。高校の英文法で、「a dancing girl」の「dancing」を現在分詞とみなすか、動名詞とみなすかで、「踊っている少女」とも「踊り子」とも訳せると習ったのと同じことだ。そのようにダブル・ミーニングで考えると、この曲のタイトルはますます奥深くなってくる。
そして、「time to kill」といってすぐに浮かぶのが、タイトル・ソングにあるフレーズ。♪A time to be born, a time to die, A time to plant, a time to reap, A time to kill, a time to heal, A time to laugh, a time to weap 〜♪と印象的な言葉が続く。そしてThe Byrdsといえば、去年の春、銃で自らの命を絶ったアメリカのByrdsマニアの知人のことが思い出される。