Heal/Heather Nova

このところずっと、家に籠る仕事が続いていた。それで、久しぶりに外で打ち合わせとなると、ついでに色々やりたいことがあり、ちょっと早めに家を出た。たとえば、ずっとチェックしそびれていたウエスト・コースト特集の『DIG』や、ハバネロのデス・ソースを買ったりとか。結局、『DIG』は立ち読みで済ませ、代わりに、(懲りずに)ドール本に大金を費やす羽目となった。一方、デス・ソースは、楽しみにしていた超激辛物があいにく品切れ中。唐辛子マークが3つしかついていないただの激辛品では、買う気にもならなかった。
そして、少し早めの夕食中に大問題が発生した。普段、家で食事する時、つい手抜きして品数が少なくなりがちなので、外では一度に色々な物が食べられるメニューを選ぶことにしている。ところが、食べている最中に、一瞬、血の気が引いていくのがわかった。なぜかうっかりと、牡蠣の酢の物を口にしてしまったから。実は私は、10年ぐらい前に突然、牡蠣を受け付けない身体になっていた。その時は生食だったので、ただの食あたりにすぎないと思った。ところが、その直後に、火を通したものを食べても、やはり七転八倒の苦しみを味わうことになった。体質が変わってしまったことを、否応なしに自覚させられた。汚い話になるけれど、私が異物を口にすると、まるで猫のように、腸に達する前に胃でブロックして、そのまま吐いてしまう。ところが、牡蠣パワーは強烈で、ただ吐いてしまえばそれでおしまいというわけにはいかなかった。その症状が一晩中続き、気が遠くなりそうだった。今回食べたのはたった1個とはいえ、大粒の生。「もうダメかもしれない!」と、すっかり弱気になってドラッグストアに向かい、何か手頃な解毒剤はないかと尋ねてみた。そんな物、あるわけなかった。冷や汗が出て、めまいがしそうになった。いつ症状が出るかとビクビクしつつ打ち合わせを終え、どうにか帰宅後も気が気ではなかった。弱気になると誰かに頼りたくなるのに、こんな時に限ってメールの返事もない(後で聞いたら、ディスクのクリーンナップに2時間もかかっていたので、メール・チェックできなかったらしい)。そのまま7時間経過し、もう大丈夫だろうということで、半ば笑い話のつもりでこれを書いている。タイトル・ソングは、3rdアルバム『Oyster』に収録。ちょっとしたことから、ちょうど1年ぐらい前から聴くようになった。早いものだ。