Don't Fall Down/13th Floor Elevators

気が付けばもう12月。そのわりに暖かい日が続くので、季節感がほとんどない。街の中では、すでにクリスマス・モードに突入しているに違いないけれど、ずっと家に籠りっきりでは、そんな気分さえ味わえない。
12月といえば、去年の忌まわしい記憶が蘇えってくる。ちょうど今頃、自転車で転んで、全治数ヶ月のケガをした。こう書くと、事情をご存じない方は、さぞかし大変だったのだろうと同情して下さるかもしれない。でも、実際は、どこか笑い話っぽい(当の本人にとっては、もちろん、大事件だったのだけど)。スーパーで食料品を大量に買い込み、自転車のカゴに入りきらないほど積み込んで家に向かった。ここまでは、よくあることだった。2リットルのペット・ボトルを2本、1リットルのミルクとジュースを各1本、さらには野菜や果物を数種類・・・と総重量を計算すると、相当すごい量の荷物だった。カゴが何となくフラフラしていることは、途中からすでに気付いていたけれど、まさか、いつのまにかネジが1つ外れて、不安定な状態になっているなんて思いもしなかった。やっと家に着き、自転車を置く場所まであと数メートルというところで、突然、速度を落とした拍子にバランスが崩れ、カゴが大幅に左に傾いた。その勢いで、私は自転車に乗ったまま真左に転倒した。倒れたのは、段差が10cmぐらいあるコンクリートの地面の上。そこで身体の左側面を強打した。どうにか起き上がって、痛みを感じるより前に不安になったのは、側頭部まで打撲したという事実。数年前の弟の交通事故以来、頭部打撲の恐怖に対し、とても敏感になっていたので、怖くてたまらなくなった。その直後は何ともなくても、徐々に血が溜まって、数日後にそのまま死亡することさえあるのだから。
病院恐怖症にもかかわらず、この際、意を決して精密検査を受けるしかなかった。幸い、初めてのCTスキャンの結果、心配はないと言われた。その代わり、とても太い血管が頭の中央に一直線に走っていて、そういうのはこれまで見たことがないと笑われた。それより、もっと大変なことがあった。病院に向かう頃から、肩に激痛を感じるようになっていたけれど、実は、左肩にヒビが入っているということがわかった。
骨折ではないし、「まだ若い」ので手術せず、自然回復を待つことになった。それからが長かった。この話も長くなり、ここで終わらせることができず、明日に持ち越すことになりそう。