Shower The People/James Taylor

少し前から、家のシャワーの調子が悪い。流れてくるお湯が突然ぬるくなって、この季節にはちょっと耐えられなくなる。いくら温度調節をしても、さっぱり効き目はない。そういえば、この前の冬から、そういう兆候が少し出ていたような気がする。逆に、夏の間は、最低温度に設定しても、ずいぶん熱いお湯が出るので、お湯を止めて水シャワーにすることさえあった。
でも、今回はちょっとひどすぎる。いつぬるくなるかわからないので、のんびりシャワーさえ浴びられない。というわけで、今日は思い切って、近所のお風呂屋さん(「銭湯」という言い方は、かわいくないから好きではない)に行ってみた。ミネラルを含んだ海水を利用しているということで、関西エリアでは結構有名なお店で、TVでも何度か紹介されたことがある。機会があれば、1度訪れたいと思っていた。
でも、実を言うと、私のお風呂屋さんデビューはずいぶん遅くて、30代になってからだった。しかも、自らの意思ではなく、たまたま必要に迫られて、やむをえず行くことになったのだった。それまで、お風呂屋さんはおろか、温泉さえ、幼稚園の頃に行った記憶しかない。それどころか、母親と一緒に入浴した覚えは1度もないし、弟はもちろんのこと、妹とさえ一緒に入ったことはまったくない。唯一、父親とは小学校低学年ぐらいまで入っていたような気がするけれど、それすらほとんど覚えていない。別に、私の背中に天使のような翼が生えているわけでも、尻尾がついているわけでもないのに、どういうわけか、必要以上に照れてしまう。だから、巷によくあるように、友人同士のグループで温泉に、なんていうことは、絶対に考えたこともない。このように、極度なまでにシャイな性格のため、初めてお風呂屋さんに行った時は、どうしてよいかわからなかった。でも、それ以来、何度か機会をもつうちに、「まったくの他人(もちろん同性の)とならどうにか平気」というところまでようやくこぎつけた。今では、さり気なく他人を観察する余裕さえある。でも、身内や友人と一緒というのは、今もなお、それに今後も、絶対に絶対に無理だと思う。そんなことありえない。
ちなみに、今回行った「名物店」とやらは、予想していたほどユニークなところではなく、ちょっとガッカリした。ただ、久しぶりに、ポカポカと温まることができて、いい気分だった。
ところで、タイトル・ソングには、「シャワー」という言葉が含まれているけれど、内容はシャワーとは無関係で、「愛する人々に、愛を降り注いでごらん」というようなもの。