More Than Ordinary/Kasey Chambers

どうでもよいことをド忘れし、気になって他のことが手につかない、という困った事態に陥ることがある。昨夜3時か4時頃まで起きていたのに、6時過ぎにふと眼が覚め、あることが気になってしばらく眠れなくなった。それが何かというと、ある女性シンガーの名前。顔と声はすぐに浮かぶけれど、名前が思い出せない。こんな時は、アルファベット順に名前を思い浮かべていく。でも何度繰り返しても、一向に思い出せない。どうでもいいとわかっていてもくやしい。酸素不足で息苦しくなりそうな錯覚に陥る。誰かに問い合わせようか?ダメ。自分で思い出さないと意味がない。第一、こんな時間に誰も起きているわけがない。
睡眠不足が祟って、頭がボーっとしてくる。もうひと眠りしたい。そのためにも、早く思い出さなくては。その時、ふと手がかりが浮かんできた。Cindy?ちょっと違う。Windy?近いかな?そうだ、Wendyだ。Wendy Smith!やっと思い出せた、とホッとしたのも束の間、どこかおかしいことに気付く。もう1度考え直し、Wendy Landsがやっと出てきた。ようやくもうひと眠りできた。
一体どうしてこんなことになったのかというと、昨日Kasey Chambersを聴いていたからに違いない。私にとってこの2人は、ほぼ同時期にその存在を知り、気になって、名前をメモしておいたという共通点がある(逆に言えば、共通点はそれだけなのだけど)。2年ぐらい前だった。当時は、たとえ気に入ったとしても、女性アーティストはつい後回しになりがちだった。それでも、彼女達のことは絶対に覚えておきたいと思い、常に目に留まるところに名前を記しておいた。その甲斐があったことは、実際にアルバムを聴いてみて、よくわかった。
昨日聴いていたKasey Chambersは、2年半ほど前のライヴ。ちょうど私の最大のお気に入りアルバム『Barricades & Brickwalls』が出た直後。なのに、同名曲がライヴでは歌われなかった。フェスティヴァルに参加した時のものなので、その性格上あまり重苦しい曲はふさわしくないと思ったのかもしれない。一番好きな曲なのに、何とも残念だ。彼女のライヴ音源は、他にももう1枚聴いたことがある。歌い声はもちろんのこと、しゃべり方もとてもキュート。オーストラリア人だというのに、訛りもほとんどなくて聴き取りやすい。
結局、ひと眠りした後、帰る準備をして、お昼過ぎに大阪に戻って来た。4泊もしたのは久しぶりだった。