Cocaine/Jackson Browne

実家に持ち帰った約20枚のCDのうち、行きの電車の中で2枚と滞在中に2枚聴いた他には、帰りの電車でさらに2枚聴いただけだった。Hot Tunaのライヴなんて6枚もあったのに、1枚も手をつけなかった。それに、Bert Janschのつい1ヶ月前のライヴも聴きそびれた。彼らを捨てて、最後に選んだのは、J.J.Caleの90年8月のライヴと、Buddy Hollyの『The Famous Apartment Tapes』というもの。後者は、59年にニューヨークのアパートでプライヴェート録音されたものと言われているけれど、詳しいことはよく知らない。でも、同年2月の初めには、あの忌まわしい飛行機事故が起こっているので、もしこの録音年度が正しければ、亡くなる直前のものといえる。そのせいかどうかわからないけれど、おなじみのヒット・ナンバーはあまり聴けない。それでも、いかにもBuddy Hollyらしい曲ばかり(悪く言えばワンパターン?)なので、すんなりと耳に入ってくる。そして、Buddyを聴くたびにいつもそう思うのだけれど、またしても、Jormaが彼のヴォーカル・スタイルの影響を強く受けていることを痛感した。
J.J.Caleは、最近、色々な時期のライヴを聴く機会に恵まれ、うれしい悲鳴をあげている。正規盤で去年買ったCDと同じ内容のスタジオ・ライヴが、ずっと安価なDVD(しかもリージョン・フリーらしい!)でも出ていることを知って、ちょっとショックを受けているほど。にもかかわらず、今回聴いたものは、今ひとつしっくりこなかった。その原因は、またしてもホーンかもしれない。ホーン入りの「Call Me The Breeze」や「Cocaine」なんて、少しもありがたくない。特に後者は、かなりアップ・テンポになっているせいか、何となくせきたてられているような気がして、ますますイヤだ。
タイトル・ソングは、J.J.のオリジナルではなく、同名異曲。こちらのオリジナルはあのReverend Gary Davisの「Cocaine Blues」で、それをベースにJacksonとGlenn Freyが補作詞している。
ここまで書いてから、もう1度J.J.Caleのライヴを聴き直してみた。今度はホーンが前ほど気にならなくなった。というより、ホーンさえ差し引いて聴いたら、あとはとてもいい感じ。特に、キーボードがなかなか私好み。この前は、ポータブルCDプレイヤーのヘッドフォンで聴いていたから、ホーンのパートが特に目立ったということなのだろうか。でも、「Cocaine」だけは、何度聴き直しても、やっぱり許せない。