落葉の物語/The Tigers

このところずっと、日記に書く小ネタが多かったので、ずっと書きそびれていたけれど、先日ついに、ザ・タイガースの『世界はボクらを待っている』を再び見ることができた。これまで10回近く見たことがあったものの、最後に見たのは中1の冬で、それ以降、ぜひもう1度見たいと思いながら、そのチャンスに恵まれずにいた。彼らの主演作は3本あり、その2作目に当たる『華やかなる招待』と、公開当時にはすでにGSに興味を失っていたため、あえて見に行かなかった3作目の『ハーイ!ロンドン』の2本だけは、数年前に運良く見ることができた。でも、私がどうしても見たかったのは、記念すべきこの1作目だった。リアルタイムで見た時からすでに、少女趣味の極致ともいえる内容にちょっとあきれながらも、その徹底したバカバカしさに酔ったフリをしていた。そして、大人になった今(といっても、精神構造はほとんど変わっていない)、改めて見るとどう感じるのか興味があった。
まず、当時はそれほど感じなかった特撮のあまりのお粗末さは、大いに笑える。そして、セリフ回しはヘタだし、セリフそのものがクサいことは当時からわかっていたので、今さら驚きはしないけれど、やはり見ていて恥ずかしい。ましてや、それを1人で見ているのではないとなればなおさら。
それでも、各シーンのセリフのほとんどを覚えていて、つい夢中になって解説せずにはいられなかった。
でも、これで気がすんだ。多分、今後この映画を見ることはもうないだろう。
タイトル・ソングは、映画の中の好きなシーンの1つで使われていた曲。5人が黒いマントのようなコスチュームで、横一列になって並木道を歩きながら歌っていた。サビの部分は、彼らが出演したチョコレートのCMでも使われていたと思う。
ついでながら、3作目の『ハーイ!ロンドン』を初めて見たのは、前述の通り、つい数年前のことだったので、もはや、タイガースに対してではなく、違った観点で興味が沸いていた。何しろ、撮影は69年の初夏にロンドンで行なわれたものだから、いわゆる「Swinging London」真っ盛りの現地の様子を生で感じられることを大いに期待していた。ところが、それらしきシーンはほとんどなく、妙に閑散とした街並みが目立つだけだった。そんな中、ハイドパークらしき公園が映った時には、その1ヶ月後に、そこでBrian Jones追悼コンサートが開かれたことを思い出し、しんみりとしてしまった。