There's No Way Out Of Here/David Gilmour

昨夜寝る前に何となく『青の炎』を見始めたら、結局、最後まで見る羽目になり、終わったら3時半を回っていた。
この映画の中で、ちょっと気になる曲が流れていたので、エンドロールを必死でチェックしたら、「The Post War Dream by Roger Waters」とクレディットされていた。バンド名ではなく個人名なので、てっきりRogerのソロ・アルバムの曲だと思っていたら、Pink Floydの『The Final Cut』に収録されていることがわかった。私がFloydを熱心に聴いていたのは、『Wish You Were Here』まで。そのすぐ後の『Animals』さえあまりまじめに聴いていないのだから、『The Final Cut』を知らなくて当然だろう(開き直るのもヘンだけど)。メンバーの中で私のお気に入りは、断然、David(今でも「Dave」と呼んでしまう) GilmourとRogerの2人だった(でも、ソロアルバムまで持っていたのはDaveだけ)。今なお一部の間で根強い人気のSyd Barrettについては、不自然なまでに伝説化されていることを、ちょっと疑問に感じている(別人のように醜く太って老いた姿を見ると、なおさらそう思う)。
さて、肝心の映画の方は、見る前に勝手に想像していたストーリーとはかなり違うものだった。さすがに、見ているうちにオチがわかったけれど、それでも気になって、最後まで見たいと思わせるような出来だった。主演の二宮和也は、パッとしない嵐の中でも特に地味な存在だけれど、デビュー前から単独で映画やドラマ出演も多く、いつも真面目に演じている姿が好ましかった。厳しいことで定評がある蜷川幸雄監督の本作品に抜擢されたのも、それなりの実績が認められたからに違いない。妹役の鈴木杏は、以前TVドラマでも二宮の妹役を演じていた。その頃から何となく気になっていたけれど、今年になって、彼女に似ていると言われて驚いた。久々に似ていると言われたのが、まだミドルティーンの女の子だなんて。でも、画面に映る彼女はやたらと丸い。考えてみると、これまで誰かに似ていると言われることがあっても、「○○の顔が丸い頃」とか「野暮ったい頃」という但し書きが必ずついていた。所詮、その程度のものなんだろう。
もう1人出ていた松浦亜弥はデビュー当時は生理的に受け付けなかったけれど、ようやくそのアレルギーが治った。表情や台詞回しのどれをとっても、ふた昔ほど前のアイドルそのもの。実に泥臭い。今の時代には、それがかえって新鮮なのかもしれない。