Me And My Chauffeur Blues/Maria Muldaur

意外にも、元日から、内容はともあれ音楽関連の話題が続いている。今日は、Maria Muldaurの『Richland Woman Blues』を聴いた。何を隠そう、彼女のアルバムを聴くのはこれが生まれて初めてだ。学生時代にたった1度だけ、彼女のプロモ・フィルムを見たことがあるけれど、映像ばかり印象的(オールヌードでプールで泳いでいるやつ。その頃からすでに丸々としていた)で、肝心の音楽のことは何も覚えていない。
それ以来、特に、聴かず嫌いだったわけでもないのに、なぜかずっと聴く機会を外していた。噂に聞く彼女の音楽の方向性もルックスも嫌いであるどころか、むしろ興味深いはずなのに、あえてあと一歩踏み込めなかったのはなぜだろう。しいて言うなら、彼女の声に、それほどインパクトを感じなかったからだろうか。
前置きはこれぐらいにして、初めて聴く彼女のアルバムが、ほんの数年前に出たばかりのものだというのは、ちょっと邪道かもしれない。若い頃と比べると、声の質もかなり変わっているというし。それでも、1曲目から繰り広げられるフォーク・ブルーズの世界は、私にはたまらないものだった。Memphis Minnieのお墓参りに行った時にインスピレイションが沸いて作ったアルバムと言われる通り、4曲もMinnieの曲がカヴァーされている。タイトル・ソングはその中の1曲。JAもデビュー・アルバム『Takes Off』の中で「Chauffeur Blues」として取り上げていた。JAヴァージョンでは、Graceではなく、オリジナル・メンバーのSigneが力強く歌っている。Memphis Minnieの曲だとは知らずに聴いていた頃から、ずっとお気に入りの曲だった。他に、あまりうまくはないけれどSue Foleyもカヴァーしている。全員女性なのは、この曲が、浮気っぽいけれど魅力的な男性のことを歌ったものだから。要するに、私のお抱えの運転手さんになってね、というものだ。でも、いくら魅力的でも、そんな気の多い人は、私なら絶対にごめんだ。
ところで、このところずっと、リラックス・モードの私とは違い、巷では、今日からすでに、交通機関が平日ダイヤに戻っていることに気が付いた。かといって、夕方のラッシュがまだ完全に再開されたわけでもなく、何だか中途半端な感じ。3学期が始まり、さらには、成人式を含む連休が終わるまでは、まだお正月気分が抜けきらないというのが、正直なところだろう。といっても、新学期も仕事始めも、私にはまったく無縁なのだけど。