Lather/Jefferson Airplane

昨夜寝る前に入ってきたSpencer Drydenの訃報は、Paul Kantnerがどこよりも早く配信したものだった。現地時間の11日の夜亡くなり、一夜明けてすぐに知らせてくれたのだから。1週間ほど前に、退院のニュースに触れた時点で、すでに絶望的な状態にあることは知っていた。でも、まさかこんなにも早いなんて・・・。私が予想した通り、結局、自宅のベッドで最期を迎えたいということだったのだろうか。
具体的な症状は一切わからなかったものの、彼の健康状態が思わしくないことは、もう何年も前から耳にしていた。それで、去年いくつかのイヴェントに積極的に参加したニュースを聞いた時は、むしろ意外にさえ思ったものだった。それでも、その後まもなく手術し、治る見込みもないまま退院ということになったので、いよいよ・・・と覚悟を決めていた。だからこそ、今回の訃報も、それほどショッキングなものではなかった。
レコーディングに参加することのなかった初期のドラマーも含めると、5人も入れ替わったJAの歴代ドラマーの中で、JAのドラマーといえばこの人しかいない!と誰もが認める存在だったSpencer!JAのメンバーの中で誰よりもダンディで、そのくせ一番クレイジーだったSpencer!”Don't trust over 30〜30歳以上の人間を信用するな!”が一種のスローガンとなっていた当時、メンバーの中で最も早く、その「大人」の仲間入りしたSpencerのことを、当時、彼の恋人だったGraceが歌った曲が今日のタイトル・ソング。
この曲については、以前、CHIKAKOさんが「<a href="http://members.at.infoseek.co.jp/Guinnevere/hukyuu8.htm">JA普及委員会</a>」で取り上げていらっしゃるので、ぜひそちらを参照していただきたい。一昨年出たJAのバイオでも触れられているように、Graceはこの曲をいつものようなしっかりとした歌い方ではなく、わざと子供っぽく、ややもすれば淡々と歌っている。
ちなみに、JAファンには知られているものの、一般にはあまり知られていないSpencerに関する意外な事実がある。長い間、明らかにされなかったのだけれど、実は、彼はあのCharlie Chaplinの甥にあたる。イギリス人だったSpencerの父が、Chaplinの異父兄弟で、Wheeler Drydenという芸名で『ライムライト』などに出演しているらしい。Spencer自身、映画のオーディションを受けたことがあるという。でも、結局11歳の時に始めたドラムが、彼の天職となった。