rejoyce/Jefferson Airplane

特に急ぎの用はないものの、年末年始以来3週間ぶりに実家に帰ることにした。最初の頃は、せいぜい2泊程度だったのに、近頃はその滞在期間も長くなっている。これには、自宅のシャワーの調子が今もよくないことが、大きく関係している。この時期、バスタブにゆったりとつかりたくなるのは当然だもの。
いつものごとく、CDも沢山用意した。電車の中で聴いたのは、ちょっと趣向を変えてGlenn Freyの『Live』。92年にアイルランドのダブリンで行なわれたライヴの正規盤。正直言って、ソロ以降の彼の活動にはほとんど興味がないけれど、ライヴではEagles時代の曲も5〜6曲取り上げられているので、ちょっと聴いてみたかった。
その期待通り、大好きな「Peaceful Easy Feeling」から始まった(ちなみに、ソロで来日した時、私も見に行ったはずなのに、どんな曲を演ったのか、まったく記憶にないというのが実に情けない)。ところが、ソロになってからの曲になると、私の恐れていたホーンが容赦なく入るので、思わず早送りしそうになった。でも、「愛しの」Glennのために、何とかがまんして最後まで聴いた。その甲斐あって、エンディング・ナンバーはGlennヴァージョンの「Desperado」。オリジナルのインパクトが強すぎるので、ちょっと心配だったけれど、決して聴き劣りしなかった。
さて、これがダブリンでのライヴということで思いついたのが今日のタイトル・ソング。ダブリンといえば、James Joyceの『ダブリン市民』。Joyceといえば、言葉遊びや造語がふんだんに盛り込まれ、注釈だらけで、英米人にさえ難解とも言われる『ユリシーズ』。そして、これを基にしてGraceが書いたのが、タイトル・ソングというわけだ。言わずと知れた名盤『After Bathing At Baxter's』に収録されている。この曲に限って、最初の「r」が必ず小文字で表記されるのは、未だに深い謎のまま。もちろん、「Joyce」と韻を踏んでいることだけは、誰の眼(耳?)にも明らかだけれど・・・。
歌詞には、実際の小説の登場人物まで出てくるし、戦争を風刺する皮肉なフレーズもある。そして、同じアルバムに入っていて、やはりGraceが書いた「Two Heads」もそうだけれど、メロディ・ラインには、イントロからすでにミステリアスなムードが漂っている。これをGraceの最高傑作と賞賛する人もいる。確かにそれを否定しがたいほどの名曲だと思う。でも、なぜかJormaのギターは入っていない。