45 Seconds Of Imaginations/Raymond Lovelock

先月、何年間もゴミをためていた人の部屋から出火し、後でわかったところ2tトラック3台分のゴミ袋があった、というウソみたいなニュースについて書いた。その時は、住人が亡くなったためあまり笑えなかったし、私自身の部屋がいくら乱雑とはいえ、ゴミは全然たまっていないので、他人事として受け止めていた。ところが、それ以上にものすごい事件が起こった。やはり1人暮らしの人(こちらは50代の男性)の6畳1間の床が、何十年間にもわたって保管していた雑誌の重みで、階下まで抜け落ちたという。幸い、こちらは命に別状はないというので単純に笑い話となっている。同時に、少なくとも私にとっては、何となく身につまされる思いがする。
その人は、何十年分もの雑誌を捨てずにためていて、総重量が推定6tにもなったと言われる。さぞかし、お宝級の雑誌も多かったに違いない。でも、病院に運ばれる際、消防員に「この雑誌を処分しますか?」と尋ねられて、力なく「はい」と答えたという。お気の毒!
幸い、私の部屋は6畳1間ではないし、保管物も6tにはとても及ばない。でも、引越しを考えるたびにくじけてしまうので、他人の事を決して笑えない。現実を直視できず、逃げてしまいたくなることさえある。
だからといって選んだわけではないのが、今日のタイトル・ソング(どうして「imagination」が複数形になっているのか、昔から気になっていたけれど、ここで突っ込むのはやめておこう。一応、本人の作詞作曲となっているのも、妙にウソっぽい)。今頃こんな曲を選んだのは、たまたまTVを見ていたら、最近人気のお笑い芸人ヒロシが特集されていたから。私は特にお笑いマニアではないし、どちらかといえば毒舌系の漫才や、ブラックジョーク系を好む。でも、この人のように、自虐ネタというのも案外おもしろい。実を言うと、この人に注目するようになったきっかけは、BGMで流れる曲があの『ガラスの部屋』のテーマ曲だという噂を聞いたから。
中学生の頃、海外の若手俳優やシンガーが、日本でもアイドル扱いされていた。でも、みんな子供っぽく、私のお眼鏡にはなかなか適わなかった。唯一、ちょっと気になったのがこのRay Lovelock。なのに、『ガラスの部屋』は中学生には刺激が強すぎると言って、禁止映画扱いにされた。その鬱憤を晴らすために買ったのが、テーマ曲のサントラ盤ではなく、彼の自作というふれこみのこちらのシングル盤だった。