Edward/Nicky Hopkins

昨日JBが流れていた書店で、『エロイカより愛をこめて』31巻が出ているのに気付いた。30巻を買った時のことも、去年5月12日に書いている。それから1年足らずで新刊が出るなんて、作者のここ数年の寡作ぶりから察すると、意外な気がする。でもうれしい。しかも今回は「『エロイカより愛をこめて』の創りかた」という、単行本まで出ていた。これは25年以上前にこの作品がスタートすることになったきっかけや、製作過程のさまざまなエピソードが興味深く綴られているもので、長年のファンにはたまらない。もちろん、併せて買い求めた。
去年も書いた通り、これはいわゆる「少女マンガ」の域を越えた壮大なストーリーが展開する作品であり、シリアスさとコミカルさの両面を備えているため、実に奥が深い。コミックは30分程度で読み終えたけれど、読み物の方は、目次を見て、特に眼を引く項目から拾い読みしている。中でも、ドイツ連邦軍の雑誌に、再三にわたって取り上げられたというのは初耳だった。「さすが!」と納得した。現場に携わる専門家の眼から見ても、戦車や様々な軍服、さらにはドイツ各地の風景まで、細部にわたって正確に描かれていることは、驚きに値することだったという。その辺が、作者のすごいところだ。もう1つ笑ってしまったのは、この作品のもう1人の主役、エーベルバッハ少佐(Major Klaus Heinz Von Dem Eberbach)の名前にちなんだドイツの小都市エーベルバッハに、日本から訪れる観光客(しかもほとんどが女性)が年々増え、不思議に思った同市観光局が、その裏にある事実を知り、作者の青池女史に市の名誉賞を与えたというエピソード。彼女は、最初、自分の作品の登場人物と同名の市が存在することを知らず、ドイツ語で「いのしし」を意味するこの単語を、何気なく選んだという。実在することを知ってからは、本人もそこを訪れ、街の風景を作品に取り入れているため、それを生で見たい読者が、さらにその街を訪れるようになったというらしい。そのため、同市の日本語パンフレットの表紙には、何と少佐の姿が描かれている。ちなみに、私はドイツ各地をかなりくまなく回ったにもかかわらず、あいにくここはチェック漏れだった。実にくやしい。
ところで、今日はNickyの61回目のバースデイなので、どうしてもタイトルに彼の名前を使いたかった。もちろん、本当は、この曲はQMSヴァージョンの方が、もっともっと好きなのだけど。