Gimme Shelter/The Rolling Stones

今月初めに少しふれた『Another Side Of This Life : The Lost Recordings Of Gram Parsons 1965-1966』がやっぱり欲しくて、その後すぐに注文したら今頃届いた。日本のAmazon Market Placeに注文したのに、アメリカから発送されたため、こんなに時間がかかった。私はいわゆるカントリー・ロックに関しては無知同然(カントリー・ブルーズなら、よくわからないなりにも、足を突っ込んでいるけれど)で、Gramのアルバムも、1〜2年ほど前にようやく『GP』1枚を買ったにすぎない。むしろ、彼とKeith Richards絡みのエピソードの方が気になるという不届き者。ついでながら、見た目も決して嫌いではないけれど、JB同様に私にはやや甘すぎる。
にもかかわらず、このアルバムを買ったのは、前にも書いた通り、大好きな曲が数曲カヴァーされているから。そんな不純な動機で購入したものだから、いざ聴き始めても、まず気になるのはカヴァー曲ばかり。1曲目の「Codine」は、QMSをはじめ様々なヴァージョンでおなじみ。このGramヴァージョンも、歌詞とその後、彼が辿る運命を照らし合わせて考えると、ひどく重く聞こえる。思わず涙ぐみそうになった。
ライナーノーツに寄せられた、Stanley Boothの文章が興味深かった。そういえば、どこかでこの人の名前を見た覚えがあると思ったら、Stones関連の本を何冊か執筆していて、私も持っていた。あの『ギミー・シェルター』の映画でもおなじみのオルタモントの事件当日のことが、Gram絡みで書かれていた。2人はその2ヶ月ほど前に、初めて顔を合せたばかりだったという。ところが、ある共通点で結ばれていた。2人共、ジョージア州のウェイクロスという(恐らくは)小さな街の出身で、年齢も近いというのに、少年時代にはまったく面識がなく、Stonesのアメリカン・ツアーのおかげで、初めて対面することになったという。私は、こういった因縁めいた出会いにとても弱い。それだけで、何か運命的なものを感じてしまう。
オルタモントの惨劇の後、そそくさと会場を後にするStonesと共に、この2人もヘリコプターに同乗した時、Gramの傍らにはMichelle Phillipsもいたという。たちまちヘリコプターは定員超過になりつつ、強引に離陸したそうだ。でも、『ギミー・シェルター』の映像の中でMichelle Phillipsの姿を見た記憶はまったくない。Michael ShrieveとJerry Garciaのシーンなら、ずっと覚えているのに、この差は何だろう?ほんの一瞬も逃さずに、めざとくキャッチできるのは、よほどお気に入りの人に限るということだろう。