San Francisco Bay Blues/Phoebe Snow

おととい楽ろまさんに連れて行ってもらったBSさんのお店「Phoe〜Be」では、気になる音楽や映像が色々と流れていた。その中で、初めて耳にするRay MaterickというカナダのSSWが、ことのほか気に入った。楽ろまさんのお言葉によると「垂涎レア盤」という1stアルバム『Sidestreets』がターンテーブルに乗り、最初の一声が聞こえてきたとたん、「ああ、もうダメ!どうしよう・・・」状態。まるで、軟体動物のように身体中がフニャフニャになってしまった。一体何がツボにハマったんだろう?声?う〜ん、悪くはないけれど、声だけならあと一歩。泥臭くて暗いメロディ・ライン?もちろんそれも重要なポイント。でも、それと同時に、いえ、それ以上にハマってしまったのが、ひと言ひと言にとても重みが感じられる歌い方。じっくり拝見することができなかったけれど、内袋に全曲の歌詞が載っていたことからも、自分の語る言葉に重点を置いていることがよくわかる。比較的聴き取りやすい曲では、その語りにぐいぐいと引き込まれていった。
私はマニアでもコレクターでもないので、こういった「知る人ぞ知る」アーティストを、自ら進んで発掘しようとする意志も根性もまったくない。にもかかわらず、こういった偶然のきっかけで、その存在を知ることができるのはうれしいことだ。3日前に話題にしたGram Parsonsのアルバムのライナーノーツにも、似たようなことが書かれていた:Gram met people in that magical way all his life.つまり、偶然による出会いが、すべて彼にとって深い意味をもつものとなったということだった。多分それは、私にも当てはまる。いや、私だけでなく、他の誰でも同じこと。違うのは、それを強く意識するかどうかということだけ。
ところで、BSさんの奥さんがPhoebe Snowのファンだというので、お店の名前もそこから取ったのかと思ったら、ギリシャ神話の月の女神の名前からだということだった。普通、月の女神といえば、ArtemisやDiana(こちらはローマ神話)の方が有名だけれど、音の響きはPhoebeの方が断然良い!ちなみに、CynthiaもまたArtemisの別名だということは、つい先ほど知った。
Phoebe Snowといえば、79年にLindaと一緒に『Saturday Night Live』に出演した時の映像が、ネット上で見られたっけ。
ところで、幻の1stは無理だとしても、どうしてもRay Materickが聴きたくて、2000年と2001年に出たアルバムをAmazonのマーケット・プレイスで見つけて、早速注文してしまった。早く届くといいな。