That's The Man/Ray Materick

先月末に注文したRay Materickの『Sunflowers』と『Violent Flood』が昨日届いた。海外発送にもかかわらず、ずいぶん早い到着。でも、中を見てちょっとガッカリした。注文時の説明では、King Kong Recordsというところから出ているれっきとしたCDのはずなのに、届いたのはレーベル無記載のCD-Rだった。しかも、ジャケットはPC印刷。もちろんライナーもない。でも、盤にはオフィシャル・サイトのURLが記載されている。おまけに、2枚共ジャケットの裏側に、ボールペンのようなもので自筆サインが入っている。よく調べると、King Kong Recordsというのは彼自身のレーベルらしい。こういったことから判断すると、届いたCD-Rは決して怪しいものではないのだろう。Marc Bennoなども、自主制作盤のようなCD-Rを販売しているという話を聞いたことがあるし。
まず『Sunflowers』から聴き始めた。1曲目の「Rock And Roll Man」が始まったとたんに、最初に感じた不満(CD-R云々)はほぼ払拭された。残念ながら歌詞カードはついていないし、私のリスニング力もたいしたことがないので、一言一句聞き逃すことなく・・・というわけにはいかないけれど、彼が言おうとしていることが、不思議なくらい伝わってくる。BSさんのお店で『Sidestreets』を聴かせてもらった時にも書いたように、ひと言ひと言がとても重いからだろう。2曲目の「You're The Only One」は、♪I don't trust my eyes, I don't trust my finger, They could be telling me lies〜♪や♪I don't trust my friends, I don't trust myself any more♪と歌った後、♪You're the only one that I want to make love to♪と続く。しかも、♪that I want to make love to♪の部分は、ボソっと囁くように歌うのでドキっとする(J.J.Caleもこんなズルい歌い方が得意)。
結局、昨日2回、そして今日になってすでに3回、全神経を集中させて聴いた。といっても、トータルで40分足らずという、まるでLP並みの短さだけど。
さらに今日はもう1枚『Violent Flood』も聴いた。こちらには、社会全体に対するメッセージ・ソングのようなものが多い。実は、『Sunflowers』の方にも、肌の色は違っていても、みんな平等で世界はひとつ・・・といって世界平和を願う「Race One」という曲があった。でも、あまりにも正攻法の歌詞で、ちょっぴりおめでたすぎるような気がして、聴いていてちょっとはずかしくなった。それに比べると、『Vioent Flood』の中のメッセージ・ソングには、もっと説得力がある。