Route 66/Elliott Murphy

CDがまた届いた。今度は、Elliott Murphyの『Live Hot Point』。89年にスイスで行なわれたライヴ・アルバムで、今年になってリマスターされた。去年リマスターされた<a href="http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=435022&log=20040609">『Just A Story From America』</a>と同じデジパック仕様で、あまり好きではないのだけど。ちなみに『Just A Story〜』はその後紙ジャケ盤も出たようで、このところ、EM関係のリマスター盤やら、コンピ盤やらがやたらと発売され、なかなか手が回らない。それでなくとも、私にとって、80年代半ばから90年代半ばにかけては、情報不足やら何やらで、しばらく音楽から遠ざかっていた時期で、EMに限らず、あらゆるアーティストのこの期間中の活動については、話にならないほど疎い。EMやWZの再来日をうっかり見逃したのもその頃。Jormaの初来日さえ気付かなかった(ただし、私の執念が実ったのか、そのわずか半年後に奇跡の再来日を果たしてくれた)。
先日届いたPeter Mulveyにまだ手をつけてもいないのに、当然のようにEMを優先した。最初は軽く流している気がして、やや物足りなさが感じられた。でも、歌詞をじっくり聞かせるタイプの人なので、聴いているうちに、物足りないどころか夢中になり、気がついたら最後まで聴き終えていた。驚いたことに、Chris Speddingがゲスト参加し、ヴォーカルまで2曲担当している。どういうわけか、EMは案外顔が広い。Iain Matthewsと共作アルバムを出したことはよく知られているし、去年(だったかな?)のパリ・ライヴには、Bruce Springsteenが飛び入りしたりもした。聞くところによると、数年前にはMick Taylorと一緒に出たともいう。
長くヨーロッパに滞在しているせいか、MCの一部がかろうじて私にも理解できるフランス語で行なわていて、それがまたとても色っぽく耳に響く。ケッサクだったのは、ある時、スタジオでミキシング中に、知らない女性に、「Elliott Murphyみたいな音楽をやってるのね?でも、あの人はずいぶん前に死んだはずよね?」と言われて、とてもショックを受けたというエピソード(さすがに、これは英語で)。でも、EMの名前を知っていたというだけでも、喜ばしいことだと思うのだけどね。
ところで、熱心なファンが作成したという、EMによる他のアーティストのカヴァー曲コンピCDのリストを見て狂喜した。趣味の良い選曲の中に、何と「Mona」まで入っている!これは何としてでも聴いてみたい。あの声で歌われると、たまらないだろうなあ。