Lady Jane/The Rolling Stones

Jane Fondaが回想録を出し、それに伴うインタヴューのためTV出演したことが、JAのメイリング・リストで話題になっている。常連投稿者のほとんどが私より年上で、60年代の変動のアメリカをリアルタイムで体験しているため、こういった話題には敏感になるようだ。Jane Fondaといえば、やはり一番印象的なのは、シカゴ・セヴンの1人、Tom Haydenと結婚し、反戦活動や社会派映画に出演していた頃。その後、ワークアウト・ヴィデオがベストセラーとなり、メディア王のTed Turner(Wishbone Ashの美形ギタリストと同姓同名!)と3度目の結婚をしたあたりで、すっかり興味がなくなってしまった。要するに、結婚相手によってどうにでも変わる主体性のない人なのではないか?という疑問を抱くようになったから。何しろ、Roger Vadim監督(まったくタイプの違うBBやCatherine Deneuveなどとの結婚や同棲でも有名。一種の「女優コレクター」?)との最初の結婚時代は、『Barbarella』に代表されるセクシー路線を突っ走り、前述の通り2度目の結婚では反戦女優、そして3度目には、(語弊があるかもしれないけれど)有閑マダムのようになってしまったような気さえする。実際、インタヴューの中で彼女自身も、3人の夫それぞれに、自分が「作り変えられた」ことを認めている。相手の望む通りにしないと、嫌われてしまうことを恐れていたという。そのあたりのことは、私の乏しい経験では、まったく理解しがたいけれど、そこまでして相手を繋ぎとめておく必要があるのだろうか?それとも、本来はとても素直な人で、だからこそ相手次第でどうにでも変わるということなのだろうか?よくわからない。
ちなみに彼女は、当時の敵、北ヴェトナムの高射砲基地を訪れたことを、自分が犯した最大の過ちだったと認め、ヴェトナム帰還兵に向けて謝罪している。それでも、アメリカ政府が国民にウソをつき、そのために多くの命が奪われているということや、そのウソを暴き、戦争を終結させるためには何でもする、とハノイのラジオで語ったことを謝罪するつもりはないという。それを聞いてちょっと安心した。彼女によると、軍の命令に背くことを兵士に促したのではなく、「自分の眼で現状をよく見て、考えなさい!」と言いたかったようだ。それを本国でいくら訴えても効果がないので、直接現地に飛んで訴えたというだけのことらしい。
現在彼女は、自費で設立した学校で、十代の少女達の妊娠問題に取り組んでいるという。こうして、今も地道な社会活動を続けていることは喜ばしい。