Hissing Of Summer Lawns/Joni Mitchell

昨夜、ゾッとするようなニュースを聞いた。ドイツのハンブルクで、私がこの世で一番恐れ、名前を出すのもおぞましい小動物が、何と1000匹以上も「謎の爆発死」を遂げたというもの。よりにもよって、寝る前にそんな耳を覆いたくなるような話を聞いて、悪夢にうなされたらどうしよう?と気が気ではなかった。ところが、夢に出てきたのは緑色の蛇。私の腕にからみついていた。これはきっと、イヤなものが出てこないように、防衛本能が働いたからに違いない。そういえば、実際に、お守りとして蛇のブレスレットや指輪を身に着けていたこともある。
夢は2本立てだった。もう1つは、庭の芝生の上を裸足で歩いているというもの。私の夢は色付きであるだけでなく、その中で、感触や香りを意識することも少なくない。足の裏が、尖った芝生の先に触れてちくちくとする感じを、眼が覚めてからもはっきり覚えていた。布団の足元に異物があったわけではないのに。
よく考えると、もう何年も前に、実際にその感触を味わったことを思い出した。それは元ボスの別荘での話。有名なジャーナリストだった元ボスは、時たま、奥さんやアシスタントの私達を連れて、カリフォルニアの砂漠地帯の近くにある別荘に行くことがあった。そこでは、普段のデスク・ワークを離れて、全員揃ってDIYまがいのことをして汗を流した。何ヶ月も留守中に芝生が枯れていたので、スプリンクラーを自分達で埋め込み、タイマーを設置したりもした。麦藁帽子をかぶり、新品の鍬をぎこちなく抱え、地面を掘り起こした。中でも、一番ヘタだったのが非力な私。おかげで、タイマーがうまく作動しているかチェックするため、裸足で芝生を走り回る役目が回ってきた。その感触が昨夜の夢とまるで同じ。ただ1つ違うのは、実際には、コロコロとした野ウサギのフンを踏まないよう、気をつける必要があったのに、夢の中にはそれがなかったということ。
正直に言うと、その別荘での生活はあまり好きではなかった。夜になると、ビリヤード室で何時間もゲームを付き合わされるのも苦痛だった。そこで一番ヘタだったのも私だし。真冬に、セントラル・ヒーティングが故障して、暖炉の周りにみんなで集まり、薪を燃やして暖をとったこともあった。なんで、そこまでしなければならないの?と思ったものだった。
でも、今となっては、どれもこれも楽しい想い出として残っている。そして、唯一残念なのは、時々、夜になると庭に忍び込んできたというコヨーテを、この眼で確かめることができなかったこと・・・。