Black Friday/Steely Dan

今日は、年に何度か巡ってくる13日の金曜日。まるで同じことを<a href="http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=435022&log=20040813">去年</a>も書いている。要するに、何だかんだと言っても、それだけ気にしているということだろうか?そうではない。一種のイヴェントのように感じるだけだと思う(あいにく、祝日ではないけれど)。ちなみに、去年は重要なことを書きそびれていた。多分、文字数の関係でカットしたに違いない。それには忍びないので、今改めて書く。1965年8月13日金曜日に、JAがデビューしたとされている。バンド自体はその少し前から存在していたけれど、シスコ・サウンドを語る際、忘れてはならない伝説的ナイトクラブ、Matrixがオープンし、そのハウスバンドとして彼らが正式にデビューしたのがこの日だった。クラブのオープニングとバンドのデビューが13日の金曜日だったというのは、恐らく偶然ではなく、作為的なものだったと思う。Matrixは、バンドも聴衆も一体となって参加できる新しい形のナイトクラブとして生まれたため、それまでの諸々の因習を打破するという意味においても、あえてその日を選んだのではないだろうか。Jormaも、これについては、13日の金曜日が来るたびに、ほとんど毎回、自身の日記の中でふれている。この数字にさほど深い意味合いを持たない、非キリスト教徒の私などとは違って、よほどインパクトのある出来事だったのだろう。
ところで、タイトルとは正反対に、今日はとても穏やかな午後を過ごすことができた。というのも、ついにClare Muldaurを聴いたから。2枚のうち、まずは『Sweetheart』から。購入前の試聴でおおよその雰囲気を摑んではいたものの、アルバム全体を通して聴くとそれ以上だった。単に、声や歌い方が好みだというだけでなく、ノスタルジックなムード一杯の曲調も、彼女の声にとてもよくマッチしている。要するに「耳触りが良い」とでも言うべきだろうか。もちろん、こんな言葉がないことぐらいわかっている。通常、「みみざわり」といえば「耳障り」と表記され、「目障り」同様に、悪い意味にしか使われない。でも、「歯触り」や「舌触り」、あるいは「肌触り」という言葉があるように、あえて「耳触り」と書いて、気持ち良さを表わしたい。
そして、その気持ち良さを持続するために、次にJulie Millerの『Broken Things』を聴いた。これまた大正解!こうして、けだるくも生ぬるくもなく、ただひたすらほんわかとした気分のまま、13日の金曜日が過ぎていった。